中国の2015年7~9月期の国内総生産(GDP)の伸び率は、不動産向けの投資が伸び悩んだことなどから、物価変動の影響を除いた実質ベースで、前年同期と比べて6.9%のプラスとなる低い水準にとどまった。中国国家統計局が10月19日に発表した。4~6月期(7.0%)と比べて0.1ポイント低下した。
中国の経済成長率が7%を下回るのは、リーマン・ショック直後の2009年1~3月期(6.2%増)以来、6年半ぶり。中国経済の減速が一段と鮮明になった。
中国政府は2015年の成長率目標を「7%前後」としており、今後、達成のために追加の景気対策を進めるとみられる。国家統計局は「経済の減速は、世界経済の回復の遅れと、国内産業の構造調整によるもの。成長率は6.9%に下がったが、それでも7%前後とみなしてよい」とコメントした。
これまで景気減速の主因だった不動産市況の低迷は、北京や上海など大都市で販売が回復して一服しつつあるものの、地方都市では在庫がなお高止まりしている。不動産開発投資は1~9月、前年同期比2.6%増と、1~6月より2.0ポイント低下した。