人気の「妖怪ウォッチ」が北米に進出した。2015年10月から米国とカナダでアニメ放送が始まり、今後は日本と同じようにゲームソフトや玩具などの販売もスタートさせる。
ゲーム制作のレベルファイブ(福岡市)が発表した。アニメ放送は米国で10月5日から、カナダでは10月10日からスタートし、いずれも現地のアニメ専門チャンネルが放送する。米国版では主人公「ケータ」は「ネイサン・アダムス」という欧米風の名前に変えられたが、「ジバニャン」と「ウィスパー」は日本と同じだという。
電通とクロスメディア展開の新会社
妖怪ウォッチは、日本で2013年7月に発売されたゲームソフトから誕生した人気のキャラクターだ。2014年1月に国内でアニメ放送が始まると、ゲームやコミック、玩具、映画などさまざまなメディアで売り出され、相乗効果を生み出すクロスメディア展開によって社会現象を巻き起こすほどの人気を得るに至った。
北米を中心とする海外でも日本と同じようにクロスメディア展開を進めようと、レベルファイブはアニメ放送スタートを先駆けた2015年8月末、米カリフォルニア州サンタモニカ市に電通と共同で新会社「レベルファイブ アビー」を設立した。出資比率はレベルファイブが51%、電通は49%で、CEO(最高経営責任者)にはレベルファイブの日野晃博社長が就任し、妖怪ウォッチ以外のコンテンツの海外展開も目指す考えだ。
北米ではアニメ放送後の11月3日にコミック、11月6日には携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」用ソフト、年明け以降に玩具も発売する。海外展開の成功を確実にするため、「グローバルマーケットに特化した新規コンテンツの開発も進める」という。
妖怪ウォッチは北米だけでなく欧州での展開も計画されており、海外展開で成功した「ポケモン」と同じようなブームを作れるかが注目されている。