朝夕の満員の通勤電車での痴漢事件がなかなか減らないなか、一方で痴漢と疑われる冤罪のリスクが顕在化している。
もはや電車内で痴漢に疑われたくなければ、サラリーマンら男性は、女性の後ろに立たないようにするか、もし立ってしまったら「バンザイする」しかないような状況かもしれない。
初動を誤ると無実を証明することはむずかしい・・・
痴漢対策をめぐっては、鉄道会社が駅構内や電車内に「痴漢撲滅」の啓発ポスターを掲示したり、通勤時間帯に女性用車両を設けたり、さらには防犯カメラを駅構内や、痴漢が多いとされる電車内に設置したりと強化。2015年4月には埼玉県警鉄道警察隊が、自分が痴漢されているとわかったら、証拠が残るよう犯人の手などにシールを貼る、「チカン抑止シール」を作成して女性に無料で配布するなど、あの手この手を尽くしてきた。
車内でのトラブルということではスマートフォンなどの普及で、女性を狙う盗撮も少なくない。痴漢や盗撮といった迷惑行為では、乗客が率先して嫌疑者を捕まえるケースが目立ち、そういったトラブルを報道するメディアも増えた。
その一方で、リスクが高まったのが痴漢冤罪だ。痴漢は疑われて捕まっても、初動を誤ると無実を証明することはむずかしいとされる。
痴漢を疑われると、多くの人の場合は動揺するので、車内での女性との位置関係などを正確に思い出せなかったり、状況を説明できなかったりする。反証できず、否認を続ければ、身柄を拘束されることも少なくない。会社で身の置き場を失ったり、休みが多くなれば職を失ったりすることもある。自分のみならず、家族に迷惑が及ぶかもしれない。そういった恐れを避けるためにも、弁護士と早めに連絡をとることが求められる。
そうした中で、ジャパン少額短期保険は2015年9月10日から、電車などで痴漢に間違われたとき、弁護士にすぐに助けを求めることができる特典が付いた弁護士保険を発売した。
男性が痴漢を疑われたときの「痴漢冤罪ヘルプコール」は、携帯電話やスマートフォンにあらかじめ登録していた画面を押すと、登録弁護士の携帯電話やスマートフォンにメールが一斉発信される。受け取ったメールを見て、対応可能な弁護士がボタンを押すと契約者にメールが返信され、弁護士と電話で相談できる仕組みだ。
痴漢被害に遭った女性用として、「痴漢被害ヘルプコース」も用意。また、離婚やいじめ、リストラ、欠陥住宅、遺産相続、金融商品をめぐるトラブルなど、生活の悩みを弁護士に無料相談できる特典もある。
保険料は月払いで590円、年払いで6400円。事件後48時間に発生した弁護士の相談や接見の費用などを補償。弁護士費用等保険金は最高で300万円、法律相談費用保険金が最高10万円、個人賠償責任保険金が最高1000万円となっている。