抗日戦争勝利70年を記念した中国の軍事パレードで、共産党幹部が日本メーカーのカメラを持っていたとして、中国のネット上でその画像が晒される騒ぎになっている。
檀上から頼もしそうな表情で、望遠レンズを構える。軍事パレードの1シーンだ。しかし、それはなんと、日本メーカーのカメラで...。
幹部の画像は、中国のSNS上で次々に削除?
カメラを持っていたのは、中国共産党中央政治局の李長春前常務委員(71)だ。カメラは、キヤノンの一眼レフで、望遠レンズは、ほかの日本メーカーのシグマ製とみられている。
北京市内で大規模なパレードが行われた3日、中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」などでこの画像が出回り、波紋が広がった。
というのも、6年前に行われた建国60年記念の軍事パレードで、胡錦濤国家主席(当時)の背景に東芝の看板が映っている映像が国営中央テレビの生中継で流れ、物議を醸したことがあるからだ。看板は、通りに面した老舗ホテル「北京飯店」の壁に掲げられていた。
共同通信の報道によると、このときは、「閲兵式に日本の看板が出てきて腹が立った」と中央テレビに視聴者からの批判が相次いだといい、共産党がこの映像をテレビやネット上で流さないよう求める異例の通知を出した。情報を統制するのが狙いで、販売されたパレードのDVDなどでもこのシーンがカットされていたという。
未確認情報ではあるが、中国在住者の日本語ツイートなどでは、今回も、李長春前常務委員の画像が中国のSNS上で次々に削除されているという指摘があった。
とはいえ、中国でも、富裕層を中心に仕事や生活の中で日本メーカーの家電製品などが幅広く使われている。