甲子園球場でスカートの下から盗撮されたとして、女子高校生がツイッター上で少年の横顔がはっきりと分かる動画を投稿していたことが分かった。その後、ネット上で騒ぎになり、ツイッターが削除された。
「こいつ絶対盗撮しとる」。女子高校生は2015年8月6日、こんなツイートをして、30秒ほどの動画をアップした。
前の座席の少年、スカートの下からスマホで撮影?
そこでは、高校野球が始まった甲子園の観客席が映し出され、前の座席で縞模様のTシャツを着た少年がスマホをいじくっているのが見える。少年は、おもむろにスマホを持った右手を横に出し、そのまま空席になっている右隣の座席の背もたれのところまで下げた。
見ると、背もたれの下からスマホの一部が顔を出している。少年は同時に横を見て、スマホの位置を確認しているようにも見える。しばらくすると、少年はスマホを背もたれに隠れるように上げ、キョロキョロと横を見て、何かを探している仕草を示した。その後も、様子をうかがうようにしながら、スマホを下げようとしていた。
投稿主の女子高校生は、顔なども撮られたと訴えた。ただ、少年のスマホには、画面覗き見防止のシールが貼られていたため、ビデオにしているかどうかは確認できなかったという。「なんしに甲子園、きとんかな?」。女子高校生は、こう疑問を呈しながらも、少年に言う勇気はなかったとも告白した。ツイッターに投稿したことが本人に届けばいいということだった。
このツイートは、ネット上で関心を集め、7000件もリツイートされるまでになった。女子高校生には、ツイッター上で質問も相次ぎ、「これ間違いないよね?言わんかった、うちの責任やけど」と対応に追われた。女子高校生が席を立つと、少年もどこかに行ってしまったという。女子高校生の友人が甲子園球場に通報したとツイートすると、女子高校生も動画を警察に見せに行くかもしれないと明かした。
「動画の投稿があったことは把握しています」
その後、少年本人から話を聞いたという男子高校生が、女子高校生に対し、抗議のツイートを送ってきた。
この男子高校生は、少年本人からは盗撮していないと聞いたといい、「あなたは彼に事実確認をしてないのに盗撮と決めつけTwitterに載せのはおかしくないですか?」と批判した。「勝手に顔を載せるのは違法行為ですよ」と指摘し、少年に謝罪したうえで「盗撮ではなかった」とツイートするよう求めた。
抗議した理由については、「収まらないのでこのような形で言わせてもらいます」と説明していた。
両者の言い分が食い違う中で、女子高校生は8月7日になって、投稿をきっかけにフォローのリクエストがたくさん来るようになったとして、ツイッターのアカウントを削除してしまった。抗議した男子高校生もその後、ツイッターを非公開設定にした。この男子高校生が少年本人とどのような関係にあるかは、まだ不明だ。
甲子園球場内にある高校野球の大会本部では、広報担当者が取材にこう答えた。
「ネット上で、そのような動画の投稿があったことは把握しています。情報については、警察も含めて、大会運営に関わっている関係者間でも共有しています。しかし、投稿があったことしか今は分からず、観客席であったことについては、直接は存じ上げていません。本部に通報があったかも、確認が取れていないです」
甲子園での盗撮行為については、これ以外は聞いていないという。過去の大会についても、事件になったかを含めて、把握しているものはないとしている。