神奈川県鎌倉市を訪れる韓国人旅行客が増えている。彼らのお目当ては大仏や湘南の海ではなく、人気バスケットボール漫画「SLAM DUNK(スラムダンク)」の舞台をめぐる、いわゆる「聖地巡礼」だ。
ただ、一部にはモデルとなった学校内に無断で入るなどマナーの悪い観光客がいて、地元は苦慮している。
聖地・江ノ電の踏切前で記念撮影
スラムダンクは1990~96年に週刊少年ジャンプで連載されたバスケットボール漫画。主人公桜木花道と湘北高校バスケ部のチームメートたちが全国制覇を目指すストーリーだ。バスケブームの火付け役でアニメ化もされ、アジアを中心に世界でも広く愛された。
作中では明示されていないが、物語の舞台は鎌倉だ。江ノ島電鉄の鎌倉高校前駅近くの踏切がアニメのオープニングで登場したり、鎌倉高校の体育館が作中のライバル校のモデルになっていたりする。鎌倉はファンにとって「聖地」なのだ。
すでに海外ファンにも知られていて「巡礼」に来る人は多い。連載当時子どもだったファンが成長し、この数年特に増えているようだ。
中でも増加傾向なのが韓国からの旅行者だ。韓国内のテレビ番組でも取り上げられたこともあり、最近も別のテレビ局が鎌倉で「スラムダンクのふるさと」として取材をしていたというネットの書き込みがあった。
実際に鎌倉を訪れた韓国人のブログを見ると、漫画のシーンと実際の風景写真を並べて掲載することが定番らしい。江ノ電の駅構内の風景を「登校する時のシーンをそのまま再現したみたい!」と喜んだり、名場面の舞台でもある海岸で記念撮影したりしている。
神奈川県が政府観光局や観光庁のデータにもとに推計した、県内を訪れた韓国人旅行者数は2014年で約17万人だ。県内のどこを訪れたのか統計はないが、箱根などと並んで、鎌倉を訪れる人が多いようだ。