安倍首相をかばうためスケープゴートに? 下村文科相、助け舟なく舛添知事や森氏から集中砲火

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   新国立競技場の計画見直しを受け、下村博文文部科学大臣が集中砲火を浴びている。

   東京都の舛添要一知事や野党からは辞任要求で突き上げられ、頼みの与党からも助け舟は出てこない。派閥の長老、森喜朗元首相からは「極めて非礼」「不愉快」などと切って捨てられる始末だ。

  • 舛添氏らが下村氏に辞任を要求している(写真は14年8月撮影)
    舛添氏らが下村氏に辞任を要求している(写真は14年8月撮影)
  • 舛添氏らが下村氏に辞任を要求している(写真は14年8月撮影)

党内の評判「暗い性格で仲間は多くない」

   下村氏に対し、最も舌鋒鋭く迫っているのは舛添知事だ。当初から巨額の建設費をめぐり、「説明がない」などと対立姿勢をあらわにしていた。2015年7月23日には文科省の担当局長の更迭を要求。さらにツイッターで、

「組織の長にその処分ができないのなら、自らが辞任するしかない。それが大人の世界の常識であり、役人一人の更迭もないのなら、国民は許さない」

と進退について言及した。翌24日の会見でも、下村氏が文科省内での設置を発表した検証委員会について「スピードアップしないと気の抜けたビールのようになる。電光石火でやるべき」と追及の手を緩めなかった。

   同様に辞任するよう突き上げているのが野党各党だ。民主党の枝野幸男幹事長は22日の会見で「普通、恥ずかしくて辞める。プライドがあったら」と述べ、次世代の党の松沢成文幹事長も同日「辞任すべきだ。大失敗の責任を誰かに取ってもらわないと次の成功はない」と追及を強めている。

   下村氏への批判が日に日に高まる中、自民党内からは助け舟が出る様子はない。党内事情に詳しい消息筋によると、

「党内に敵がいるわけではないが、暗い性格で仲間は多くない」

と厳しい見方があるという。実際に森元首相は21日、閣僚会議のため東京五輪の関連会合を途中退席したことをなじり、

「呼びかけた下村文科相が退出するというのは極めて非礼だ」
「私は極めて不愉快になった」

とこき下ろした。下村氏が所属する細田派(清和政策研究会)の長老にここまで言われては立つ瀬がない。

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