「動物園は虐待」と主張の愛護団体女性 ネコを飼っていると明かして議論に

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   動物愛護団体代表の女性が、動物園や水族館は生き物を虐待していると主張し、テレビのバラエティ番組で論議になった。この女性はネコを飼っていると告白したため、主張と矛盾しないのかと疑問も出ているが、女性は「動物園の動物とは違う」と反論している。

   「日本に動物園・水族館はいらない? いる?」。テレビ朝日系で2015年7月20日に放送された「ビートたけしのTVタックル」では、前回に引き続きこのテーマで特集を組んだ。

  • ネコ飼育も虐待に!?(写真は記事と関係ありません)
    ネコ飼育も虐待に!?(写真は記事と関係ありません)
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水族館にも「命を使い捨て」と噛みつく

   動物愛護側からは、NPO法人アニマルライツセンター代表理事の岡田千尋さんが出演し、動物園や水族館はなくすべきとの立場から持論を語った。例えば、動物園については、「いわば監禁状態で飼育している、虐待を受けている動物を見る場所」だというのが反対の理由だった。

   これに対し、施設側からは、ユニークな展示で知られる旭山動物園(北海道旭川市)前園長の小菅正夫さんが、動物園は種を保存し動物を守っているとして、岡田さんの主張に反論した。

   一方、岡田さんは、日本では、動物を檻に閉じ込める標本展示が多いと厳しく批判した。動物園を否定する立場は変えなかったものの、動物福祉に理解ある国では、動物に広さや自由を与える生態展示に切り替わっていると指摘したのだ。

   司会のビートたけしさんが3D展示について聞くと、小菅さんが「結局は作りもんですよ」と一蹴したのに対し、岡田さんは「動物園だって小菅さんたちが作っているものですよ」と返すなどして、白熱した議論が続いた。水族館についても、施設側が種の保存などの意義を説いたのに対し、岡田さんは、東京都葛西臨海水族園でマグロが大量死したケースを挙げ、「命を使い捨てにしています」と強く抗議した。

   最後に、ペットをどう思うかも話題になり、進行役の阿川佐和子さんから聞かれて、岡田さんは「うちにはネコが1匹いますね」と飼っていることを認めた。

「ネコは野生でなく、動物園の動物とは違う」

   この告白は、出演者には意外だったようで、旭山動物園前園長の小菅正夫さんは、「ネコ飼ってるの? ビックリ!」と目を丸くしていた。これに対し、岡田千尋さんが「シェルターでちょっと余ってしまって、行き場がなくなってしまった子なので」と説明したところで、ペットのことは次回と紹介されて番組が終わった。

   岡田さんの告白は、ネット上でも話題になり、「これは矛盾だね」「猫を閉じ込めてるじゃん」「人間の都合で動物を拘束してることに変わりはない」と疑問の声が次々に上がった。

   このことについて、岡田さんは、次のように取材に説明した。

「ペットの飼育は推奨していませんが、ネコなどは保護している動物です。ネコを遺棄したら違法になりますし、ノラネコが増えすぎると殺処分されてしまいます。野生とは切り離されており、動物園の動物とは違います。問題の原点が違いますので、同じ解決方法ではできません」

   アニマルライツセンターのホームページでは、ネコを飼うための29のチェックリストを挙げているが、岡田さんは、それをすべて行っているという。

   動物園や水族館については、なくすべきだとは考えているものの、すぐにはできない現状は理解しているという。今できることとして、生態に配慮していない飼育環境を改善し、繁殖を考えない新しい動物などは飼うのを止めることなどを訴えたいと言っている。

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