沖縄「基地」めぐる世代間格差 若くなるほど高い「容認度」

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   多くの住民が巻き添えになった沖縄戦の組織的戦闘が終結したとされる「慰霊の日」にあたる2015年6月23日、沖縄県の翁長雄志知事は沖縄全戦没者追悼式の式辞で米軍普天間飛行場(宜野湾市)の辺野古沖(名護市)移設の中止を求めた。参列者からは賛同を示す口笛や拍手が鳴り、「オール沖縄」での「反基地」を印象づけた。

   だが、世代別にみると必ずしも「オール沖縄」とはいかないようで、世論調査では世代が若くなるについて「容認度」が高くなっている。特に高校生を対象に行われた調査では、5年前に比べて「国外・県外移設」を求める声が大幅に減り、「普天間のまま」という声が増えている。このまま世代交代が進むと、政府が主張する「普天間の危険除去」ですら沖縄県民の問題意識から遠ざかっていくことになりそうだ。

  • このままでは若者の間に「普天間容認論」が増えそうだ(写真:AP/アフロ)
    このままでは若者の間に「普天間容認論」が増えそうだ(写真:AP/アフロ)
  • このままでは若者の間に「普天間容認論」が増えそうだ(写真:AP/アフロ)

翁長知事には拍手と口笛、安倍首相には「さっさと帰れ!」のヤジ

   糸満市の平和祈念公園で行われた追悼式では、翁長知事は

「辺野古に新基地を建設することは困難」
「政府においては、固定観念に縛られず、普天間基地を辺野古に移設する作業の中止を決断され、沖縄の基地負担を軽減する政策を再度見直されることを強く求めます」

と主張して参列者の喝采を浴びる一方で、安倍晋三首相は「さっさと帰れ!」などとヤジを受けながら、

「沖縄の人々には、米軍基地の集中など、永きにわたり安全保障上の大きな負担を担っていただいています。この3月末に西普天間住宅地区の返還が実現しましたが、今後も引き続き、沖縄の基地負担軽減に全力を尽くしてまいります」

と述べた。辺野古移設への直接の言及は避けた。

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