2015年5月25日午後2時28分ごろ、埼玉県北部を震源とするマグニチュード(M)5.6の地震があり、茨城県土浦市で震度5弱が観測された。
関東各所を下から突き上げるような強い揺れが襲った。「大地震では」と多くの人間が不安にかられる中、ある動物園で飼育されているゴリラは何事もなかったかのような落ち着きぶりを示した。
「ゴリラたちは落ち着いています」
今回の地震では、水戸市、宇都宮市、前橋市、さいたま市西区、千葉市、東京・千代田区、横浜市神奈川区などで震度4、東北から近畿にかけての広い範囲で震度3から1の揺れを観測した。
ツイッターには
「地震怖かったー。。」
「地震びっくりした飛び起きた!!!」
などの報告が続々寄せられた。スマートフォンに飛び込んだ緊急地震速報のけたたましい音で周囲が物々しい雰囲気になった、と振り返る人もいる。
一方、千葉市動物園の公式ツイッターアカウントはそんな不安に満ちたタイムラインに和やかな話題を提供した。
「地震、大きかったですね。ゴリラたちは落ち着いています。(飼1)」
そんなツイートに添付したのは、飼育場の岩山でくつろぐゴリラの写真だ。ひじをつき、崖に身を預けている。リラックスした様子がうかがえ、強い揺れに全く動じていないようにも見える。
14時半に投稿された写真は17時現在で2万2000回以上のリツイートを集め、大きな話題となっている。ツイートには「見ると安心する」「ゴリラの平常心を見習いたい」といった感想が寄せられている。その後、同アカウントは地震の被害はなかったと報告、明日も通常営業すると発表した。
なお、茨城県、埼玉県、千葉県の6動物園に被害の有無を聞いたところ、いずれも「被害は特になし」「平常通り営業中」との回答だった。
ミーアキャットの動作は「完全に人間と一致」
一方、人間と同じような行動を取った動物もいた。市川市立動植物園のミーアキャットは一斉に岩に登り、同じ方角を向いた。
同園の公式アカウントは写真に添えたツイートで、「地震、大きかったですね。大丈夫でしたか? ミーアたちは一斉に岩に登ってあたりを偵察」とその時の様子を語っている。
何かが起こった時、一斉に同じ行動を取る人間のような仕草や写真に漂うコミカルな雰囲気が反響を集め、こちらも2時間あまりで1万回以上リツイートされている。「完全に人間と一致」との指摘も寄せられ、千葉市動物園のゴリラとは違った受け止め方をされているようだ。
地震の直後は、しばしば動物の様子が注目される。東日本大震災の際には、上野動物園で飼育されているハシビロコウの驚く様子が話題となった。揺れを感じた時、偶然ハシビロコウの飼育場の前にいた人が動画を撮影し、その日にYouTubeへアップロード。柵にとまり、翼を広げてバランスを取ろうとするも、結局滑り落ちてしまう様子が収められている。今や2万回以上の再生数を誇る人気動画だ。