毎年10月、青山学院大学相模原キャンパスで行われる大学祭「相模原祭」が早くも話題を集めている。きっかけは、青山学院大学相模原祭実行委員会(以下、実行委)の打ち出した「ヘヴィメタル禁止令」だ。
メタル以外のジャンルであれば、演奏して構わない。そんな姿勢にメタルファンや学内のメタルサークルは激怒。実行委は謝罪の意を表明した。しかし、そのまま禁止するのか、一転許可するのか、実行委は2015年5月21日夕現在、明確な方針を打ち出していない。
他大学の音楽サークルも異議申し立て
2015年5月19日、実行委の公式ツイッターアカウントは、ステージ演奏のバンドに関し「デスメタルやヘヴィメタル等のジャンル以外」を募集すると発表した。ハードロック、ハードコアパンクなどヘヴィメタルに比較的近い音楽の演奏も禁止するのか、それは明示されていない。しかし、実質的な「メタル禁止令」と受け止められた。
詳しい事情は明かしていないものの、「幅広い年代の方が多く来場してくださる相模原祭に合った演奏」を求めているからだ、とその理由に触れている。
しかし、この「禁止」に対し、メタルファンや学内のメタルサークルメンバーから批判が殺到。定義を教えろ、メタルを聴く年代は幅広くないのか、音楽差別をするな、謝罪と撤回を要求する、などさまざまな意見が寄せられた。さらに、上智大や専修大、中央大など他大学の音楽サークルも参戦し、「メタル禁止令」に異議申し立てを行った。
上智大の音楽サークルは、「ヘヴィメタルは60年代に源流を持ち、様々な派生ジャンルを生み出しながら現在まで脈々と受け継がれてきた音楽、つまりむしろ『幅広い年代の人々に愛されてきた』音楽です」と実行委の言い分を批判した。
炎上の気配を感じ取ったのか、実行委は20日、「この度は、当アカウントでの不適切な表現により、不愉快な思いをさせてしまい誠に申し訳ありませんでした」と謝罪したが、演奏の可否については触れていない。
どうやら「メタル禁止」の方針は、ツイートの数日前に行われたという参加希望団体への説明会段階から既定路線だったようだ。学内に1つしかないヘヴィメタル演奏サークル「青山Naked Wednesday」(以下、「Naked Wednesday」)メンバーがツイッターで報告している。
それによると、前年度と同じく説明会に赴いたサークルメンバーが、配布された資料に「メタル禁止」の文字を発見したのだという。
資料とみられる写真も投稿しており、「メタル系のバンド団体は募集しませんので、ご了承ください」との注意書きが確認できる。