政府が閣議決定した安保法制をめぐり、沖縄県の翁長雄志知事は2015年5月15日の会見で、自衛隊と米軍との連携が拡大することを念頭に、
「沖縄がそれを担うことになる。沖縄の基地負担軽減には、まったくならない」
「『沖縄にはどんな理屈を付けても基地を置く』ということにならないか心配だ」
などと懸念を示した。
翁長知事、復帰43年でも「真の民主主義の実現など、県民が望んだ形になっていない」
この発言を受け、菅義偉官房長官は同日午後の会見で、
「沖縄の方を含む国民の皆さんの生命と平和な暮らしを守ることは政府の最も大事な責任だと思っている。南西方面を含め、我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増していることは現実。我が国の平和と安全を確保していくために、切れ目のない対応を可能とする法整備を行う、このことが喫緊の課題になっている。多分、法案の趣旨というものをよくご理解いただいていないのではないかと思う」
と反論した。
15年5月15日で、沖縄が本土に復帰してからちょうど43年になる。翁長知事は会見で「真の民主主義の実現など、県民が望んだ形になっていない」などと米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設問題をめぐる政府の対応を批判した。