ローソンと佐川が提携して「弁当宅配」17年度までに全国1000店で展開

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   コンビニエンスストア2位のローソンと、佐川急便を傘下に持つSGホールディングス(SGH)が業務提携し、2015年6月中旬、ローソンの店舗を起点にして配送を行う共同事業会社を設立する。

   配送時に注文をとる「御用聞き」サービスも展開し、高齢世帯などの需要を取り込むのが狙いだ。

  • 提携で、より良いサービスを提供
    提携で、より良いサービスを提供
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半年前から実験

   6月14日に、ローソン51%、SGH49%出資による「SGローソン」を設立。まず東京都世田谷区の20店舗で新サービス「SGローソン マチの暮らしサポート」を始める。2015年度中に東京都内100店舗、2017年度までに全国1000店舗に導入する計画だ。

   店舗の空きスペースを利用して配送拠点を設置。店舗の半径500メートルを目安とし、新会社の配達員が通常の荷物に加え、弁当などのコンビニ商品を届ける。配達員は多機能タブレット端末を持ち、配達時にコンビニ商品の注文を受け付けたり、電気や水道などのトラブルがあれば、事業者に取り次いだりするサービスを始める。コンビニ商品の配送は無料にする予定だ。

   シニア層や主婦層を配達員として新たに採用し、雇用の創出にも貢献する。これとは別に、佐川の取引先の通販事業者などの宅配商品を、24時間いつでも全国のローソン店頭で受け取ることができるサービスも実施する。

   2015年4月7日の発表記者会見で、ローソンの玉塚元一社長は「半年前から実験を重ねてきた。両社を掛け合わせれば、変化が激しい消費者に、利便性、新しいサービスを提供できる」と説明。SGHの町田公志社長も「密度の高い小商圏で、細やかなサービスが必要。ローソンと提携で、より良いサービスができる」と意義を強調した。

コンビニ飽和時代

   両社が手を組む背景には、二つの「変化」がある。一つは高齢者世帯の増加だ。団塊世代の大量退職によって、地方だけでなく都市も高齢化が進行している。一方で、従来型の商店街が衰退し、買い物場所が少なくなっている。荷物を受け取るついでに、弁当も注文できれば、利便性は高まる。

   もう一つはネット通販の急速な台頭だ。パソコンやスマートフォンで注文して、家で受け取るスタイルはどの世代でも浸透しており、宅配の個数自体は拡大している。ただ、共働きが増えたため、自宅で受け取ることが難しい世帯も多い。24時間、全国1万店を超える店舗網は、強力な武器になる。

   法人向けが強い佐川にとっては、個人客を開拓するチャンスが生まれる。再配達にかかるコストの削減にもつながる。

   ローソンは強力な店舗インフラを他企業にも積極的に開放する「オープンプラットフォーム戦略」を掲げている。4月には介護事業者と提携し、ケアマネジャーが常駐して介護サービスを紹介する新型コンビニを開店したばかりだ。

   コンビニは全国5万店を突破し、飽和感が漂っている。消費者のニーズの変化を読み取り、いかに迅速に対応できるかが、生き残りのカギを握っている。

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