低迷にあえぐNHK大河ドラマ「花燃ゆ」の視聴率がついに1ケタ台に落ち込んだ。第15話時点での10%割れは、大河史上最速という不名誉な記録まで作ってしまった。
視聴者からの評判は「テンポが悪い」「観てる人は辛抱強い」と散々だ。夕刊紙やネットでは「打ち切りにした方がいい」という意見まで飛び出している。
不調の原因は「宣伝と内容のマッチングミス」?
2015年4月12日放送の第15話「塾を守れ!」では、幕府要人の暗殺計画のため投獄された吉田寅次郎(伊勢谷友介さん)を妹・文(井上真央さん)が見舞う。しかし寅次郎は攘夷活動にのめり込み、家族との距離は広がっていく。過激化する松下村塾の塾生たちは今後どうなるのか・・・という展開だった。
しかし視聴率はスタート以来最低の9.8%、なんと1ケタ台にまで落ち込んだ。この日は統一地方選の開票速報のため、通常より45分早い19時15分からのスタートだったことを考慮しても厳しい数字だ。第15話での10%割れは「平清盛」の第31話を大きく上回り、大河史上最速を更新してしまった。
どうしてここまで苦戦しているのだろうか。ドラマ評論家の成馬零一さんは「宣伝と内容のマッチングミスがあった」と指摘する。番組は当初、イケメンぞろいで幕末の「ホームドラマ」「学園ドラマ」だと打ち出し、好調さが目立つ朝ドラの視聴者層を取り込もうとしていた。しかし最近は松陰率いる松下村塾の反体制的なテロリスト集団が中心のハードな内容になっており、当初のキャッチコピーとは大きなギャップがある。
「もともと大河の視聴者層は歴史や時代劇好きの中高年男性が中心だが、そこを当初の宣伝で切ってしまった。一方、主人公が井上真央さんなのに内容はラブコメ寄りの『幕末版花より男子』になってない」
結局これまでの大河ファンと朝ドラ視聴者層のいずれを取るのか、どっちつかずになっているのだ。またストーリーの運びもうまくいっていないという。
「学園ドラマの舞台となる松下村塾のパートまで時間をかけ過ぎた一方、ようやくキャラが立ってきて、関係性が見えてきたと思ったら、そこもすぐ終わってしまった。展開の速さに付いていけず、脱落していく人も多いのではないか」