1時間3000円といわれ、一人でキャバクラに入ったところ17万7800円を請求された。結局ATMで現金を卸すよう促されて支払う事になった――そんな被害実例が掲載されている「ぼったくり被害相談室」なるサイトがネットで注目され人気となっている。
運営しているのは青島克行弁護士で、サイトにはぼったくりを行っている店の実名と住所、相談を受けた被害の内容などが詳しく書かれている。
逃げようとしたら店員に捕まり5~6人に囲まれた
サイトの名は「新宿 弁護士青島克行の歌舞伎町ぼったくり被害相談室」。青島弁護士の話によれば、2014年7月頃から急に新宿歌舞伎町でぼったくりの被害にあったという相談が大量に来るようになった。あまりにも数が多いため、弁護士事務所だけで解決するというのではなく、法改正を含め社会全体でぼったくりを無くす啓蒙活動をするべきだと考えた。そして14年11月に立ち上げたのがこのサイトだ。実際に歌舞伎町で何が起こっていて、どんな被害が出ているのか、ぼったくっているのはどの店か、といった情報を出すことによって、被害を無くすのが狙いだ。
このサイトの「新宿歌舞伎町ぼったくり店のご紹介」のページには約20もの店名が並び、住所、電話番号や、青島弁護士の「うみとそら法律事務所」に相談や報告があった被害件数が★で記されている。多いものは★が19も並んでいる。
「すぐ帰ろうとしたのに請求はなぜか15万円。話がちがうというもテーブル代10万円といわれる。店員とATMへ。途中逃げようとするもつかまってしまった。店員5~6名に囲まれる」
「客引き70分4,000円の説明。1時間弱で23万9400円の請求。4万9000円支払い。残金は念書とられた。念書もった顔写真まで撮影された。免許証のコピーもとられた」
「被害者4人。セット3,000円、飲み放題の説明で30分滞在。会計時76万6800円の請求。かなり悪質です」
などといったケースが書かれている。
「警察は客の味方にはならない」
どうしてこんなにぼったくりが多いのか。青島弁護士は「警察の対応が一つの原因です」と話す。被害に遭って交番に駆け込む人もいるが、警察は「民事不介入」だとして中立を保つ。深夜に歌舞伎町の交番近くに行くと、店の人間とその客と思われる人たちのグループが言い争いをしている。警察は両者が話し合って決着をつけるようにとしか言わない。
「警察は客の味方にはならない、ということが店側に周知されてきて、ぼったくりを止めないという面もあると思います」
青島弁護士はぼったくりに遭わないようにするには、
「泥酔しない」「カードを持っていかない」「知らない人と意気投合しない」「知らない店に行かない」「 客引きについていかない」
などを挙げている。そして、店の外観やメニューだけで判断するのは危険だとも話している。ただ、ぼったくりを行っている店名を晒しても、それだけでは限界があるという。
「最終的な目標としては、ぼったくりが無くなるように条例を変更し、警察の対応を変えるということ。そのため、被害の事実をサイト上に積み重ねていき、実態を広く知ってもらい、変えるための説得力を付ける。それをやっている最中なんです」
青島弁護士はこう話している。