「男子禁制」の看板を掲げるアミューズメント施設があるとして、男性蔑視だ、などといった非難の声がネットの一部で挙がっている。プリクラ(写真シール作製機)のコーナーを指しているもので、「男もプリクラを楽しみたい」というのだ。
プリクラは2000年ごろから大ブームとなり、業務用ゲームのヒット製品が減ったゲームセンターの救世主と呼ばれて、現在もその人気が続いている。現在はプリクラのコーナーに立ち入ることができるのは女性とファミリー、男女のペアで、男性のみの立ち入りを禁止している施設が多いのだ。
「カップルはokだった...これで友人達が店員と揉めた」
「なんで男子がプリクラ撮っちゃいけないんだよ。おかしいだろ?男女平等にうるさい今でもこんな身近に男女差別はあるんだぜ」
そんなツイッターでの発言をきっかけに、男性の入店を禁止する看板の写真が集められ、ちょっとしたまとめサイトが登場した。看板には「男子禁制」「男性禁止 カップル・ファミリーは除きます」「男性のみで撮影したプリクラは回収します。返金もできません。お店のルールに従えない場合、当店入店禁止・警察への通報をします」などと書かれている。男性がプリクラコーナーから締め出されていることについてネットでは、
「近くのゲーセンのプリクラも男子禁制。カップルはokだった...これで友人達が店員と揉めた...そんなことがあった」
「男女差別男女差別言っといて平等になった途端これだもんな」
などといった意見が出ている。
どうしてこうなってしまったのか。あるゲーム業界関係者はこう話す。
「プリクラを楽しんでいる女性をナンパしたり、痴漢したり盗撮が相次ぎ、客離れが起きるなど施設サイドが非常に困ったからです。中には盗撮カメラを仕掛けて帰り、翌日にカメラを無くしたなどと店員に尋ねる客もいて、とうぜん警察に突き出したそうです」
業界団体のJAMMA(日本アミュ一ズメントマシン協会)に話を聞いてみると、プリクラが世に出たのは1995年だったが、マシンの形がカーテンのようなもので仕切られる個室のようになっていくに従い、何かよからぬことが起きるのではないかという不安が業界内であったという。そして盗撮やナンパなどが問題になった、今から10年ほど前から「男子禁制」の看板を出す施設が増えていった。
「業界全体で申し合わせたわけではありませんが、客層の殆どが女性だったわけですので、それならば女性が安心して気持ちよく過ごせる環境を作りましょう、ということになって現在の形を採用する施設が増えていきました」
と説明した。別の関係者によれば、「男子禁制」にしたことによって男性客は減ったものの、新規の女性客を掴むことができたため売り上げ的には上がっている、と話している。