自身の持つ幕内優勝記録を34に伸ばした横綱・白鵬だったが、その圧倒的な強さとは異なる部分に視線が注がれている。
先場所後に審判を批判し、「舌禍騒動」を巻き起こしてからはマスコミを遠ざけ、今場所は支度部屋で無言を貫いた。一連の振る舞いには各所から注文が付き、ついにはNHKアナウンサーからも「もう一回、原点に返ることも必要」と言われてしまった。
「もう一回原点に返ることも必要かな、という感じもしますね」
2015年3月22日の春場所千秋楽、白鵬は日馬富士を寄り切り、14勝1敗として優勝を決めた。自らの最多優勝記録を更新し、2度目の6連覇は大鵬以来2人目となる偉業だ。圧倒的な強さを見せつけ、場所前に受けたバッシングのうっぷんを晴らしたかのようだったが、振る舞いへの「物言い」は今も収まらない。
特に注目を集めたのは、千秋楽でのNHK「大相撲中継」北の富士勝昭さんと刈屋富士雄アナのやり取りだ。結びの一番後、北の富士さんが「場所前に色々あったけど、結果出したんだから立派っちゃあ立派。確かに相撲は強いね」と評すると、刈屋アナは、
「礼儀、所作の部分でもう一回原点に返ることも必要かな、という感じもしますね」
と応じた。さらに2人は、
「そういうところも文句のない横綱だっただけに、ここのところ乱れているかな。(注意を)聞く耳を持って大横綱になって欲しい」(北の富士さん)
「実績は大横綱ですから、しっかりしないと大横綱と認めてもらえない部分がありますね」(刈屋アナ)
と続けた。刈屋アナはさらに、「(取り組み前)勝負俵を踏むことはやめた方がいい」「(審判批判を)発言する場とそうでない場を考えなければならない」と収まらなかった。
辛口で知られる北の富士さんはともかく、NHKアナが中継で力士を厳しく批判するのは異例だ。「気持ち良い位に持論を喋ったなぁ」「アナがここまで言及するのは珍しくないか?」と視聴者からも驚きの声が出ている。