米軍基地「不当拘束」動画がユーチューブに流出 辺野古反対派が境界線越えて「挑発」?

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   米軍キャンプ・シュワブゲート前で起きた、辺野古沖の基地建設反対派リーダーの「拘束騒動」が、新たな展開を迎えている。米軍基地の内側にある監視カメラから撮影された動画が流出し、ユーチューブ上で公開されているのだ。

   動画では、反対派リーダーや反対活動を取材している記者が、基地と国道の境界線を越えている様子がはっきりと分かる。拘束は「狙い撃ち」「不当」だという批判が相次ぐ中、動画を投稿した人は「不当かどうかは動画を見て頂いた皆さんが判断してください」などと主張している。

県紙2紙、「不当拘束」「不当な狙い撃ち」と批判

山城博治氏とみられる人物(中央)がマイクを持ちながら黄色い線を2メートルほど越えている(ユーチューブの動画より)
山城博治氏とみられる人物(中央)がマイクを持ちながら黄色い線を2メートルほど越えている(ユーチューブの動画より)

   騒動が起こったのは2015年2月22日朝。抗議活動のリーダー的存在の山城博治・沖縄平和運動センター議長と男性1人の計2人が米軍の日本人警備員に拘束され、後ろ手に手錠をかけられて施設内に連行された。米軍から2人の身柄を引き渡された沖縄県警は、2人を米軍関連の事案に適用される刑事特別法(刑特法)違反の容疑で逮捕、送検。2人は翌2月23日に釈放された。

   刑特法は正当な理由がないのに米軍基地に入ることを禁じており、2人が国道と米軍基地の境界にあたる黄色い線を踏み越えたことが刑特法違反にあたると判断されたようだ。

   県紙2紙は、この拘束劇を「不当拘束」「不当な狙い撃ち」などと社説で非難。拘束された山城氏の行動についても、山城氏は抗議活動をしている人に対して黄色い線の後ろに下がるように呼びかけていたと指摘。拘束時の状況について

「目撃者によると、山城さんがラインの内側、つまり基地内に入っていたのは、距離にしてせいぜい『1メートル弱ぐらい』である」(沖縄タイムス)
「ゲートの詰め所よりも国道側に近い場所の地面に引かれた基地内の境界線を示す黄色い線に立っていただけだ」(琉球新報)

と説明していた。沖縄タイムスによると、山城氏は釈放時に「黄色のラインは越えていない」として、拘束の不当性を主張していた。

マイクで何かを叫びながら2メートルほど黄色い線を越える

   この説明が、ユーチューブに投稿された1本の動画で覆ることになりそうだ。動画は「【痛すぎるニュース】 沖縄メディア発狂!山城博治逮捕の真実」と題して3月9日に投稿された。長さは6分45秒で、拘束を批判する国会議員らのツイートを紹介した後に、比較的高い場所から反対派を見下ろす形で複数のアングルから撮影された現場の動画が収められている。構図からすると、基地内の監視カメラから撮影された可能性が高い。動画にはBGMがついているものの、現場の音は収録されていない。

   動画では、山城氏とみられる人物が、ひとりマイクで何かを叫びながら2メートルほど黄色い線を越え、米軍側の警備員が駆け寄ってくると急いで黄色い線の外に出る様子が映っている。山城氏が拘束される様子も映っており、警備員と抗議活動をする人がもみ合いになっていることが分かる。その際、腕章をつけ、カメラを持った記者とおぼしき人物も2人ほど黄色い線の中に入っている。

辺野古容認派が敷地に入った時は「拘束劇」はなかった

   この動画をアップロードした利用者は、14年11月の沖縄知事選で落選した仲井真弘多(ひろかず)氏を応援する動画や、反基地運動を批判する動画を掲載している。この人物は、動画を公開した狙いをコメント欄などで、

「反戦平和は免罪符と沖縄左翼は勘違いしていますが、マスコミが報道の自由は法規を超えると思っているのなら、いつしか国民から見放されるときが来ると思います」
「口で平和を叫びながら、自ら境界を越え相手を挑発する」

などと説明している。この利用者が動画をどのようにして入手したかは明らかではないが、米海兵隊報道部は複数のメディアに対して、動画が米軍から不適切なルートで流出したことを認めている。

   ただ、沖縄タイムスによると、2月18日にも辺野古移設容認派の名護市議が敷地内に入っているが、山城氏のような拘束劇は起きていない。流出動画で明らかになった新事実を踏まえても、「拘束はおかしい」という声は根強い。

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