流行の「酵素ダイエット」が中国人女性にも人気 効果については評価が分かれる

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   「酵素ダイエット」が流行っている。ドリンクやダイエット食品として製品化され、「誰でも手軽に痩せられる」のが売り物だ。

   酵素ダイエットは、漫画家でタレントの浜田ブリトニーさんが自身の体験談をテレビで語ったり、ブログで「ガチ痩せ酵素ドリンク」を紹介したりしたことで話題となった。そのせいもあって、「酵素ドリンク」などが売れている。

「酵素」の働き、成人病の原因究明や予防への期待も

飲んで痩せる、本当?(画像はイメージ)
飲んで痩せる、本当?(画像はイメージ)

   日本酵素協会によると、そもそも「酵素」とは「触媒機能を有するタンパク質」のことで、人間の体内で消化、吸収、代謝などの生命活動を担っている。反応の種類によって、酸化還元酵素(オキシドレダクターゼ)や転移酵素(トランスフェラーゼ)、加水分解酵素(ヒドロラーゼ)、離脱酵素(リアーゼ)、異性化酵素(イソメラーゼ)に連結酵素(リガーゼ)に分類され、発見されている酵素だけでも4000種類以上もある。

   動物や植物、微生物から抽出され、用途に適した精製が施されたのち、粉末や顆粒や液体に加工されて製品となる。主にメディカル分野では医薬用や診断用、研究用として、また工業分野では繊維用、物質生産用、洗剤用、製紙用など、食品分野では糖質加工用、醸造用、蛋白加工用、乳加工用、油脂加工用などに利用されている。

   最近では酵素の応用研究や生命科学に関連する研究が進められ、内分泌・代謝学を基礎とした高血圧症、糖尿病、高脂血症、肥満などの成人病の原因解明や予防への効果が期待されているようだ。

   そうした中で注目されているのが「酵素ダイエット」。1日3食のうち1食を、酵素入りのドリンクなどに置き換える方法で、いわゆるファスティング(簡単な断食)を行うダイエット。たとえば、漫画家でタレントの浜田ブリトニーさんは、酵素ドリンクを朝食に置き換えて減量した。

   痩せる基本は摂取するカロリーを抑えること。酵素ドリンクの栄養素は、野菜や果物などを熟成・発酵させることによって低分子化されているので、適切な速さで血液中に取り込むことができる。そのため、食事を1食抜いても空腹感を感じにくく、継続しやすいとされる。

   一般に、市販の酵素ドリンクはさまざまな食材からつくられる。多くの種類の栄養素が含まれているとされ、「美容成分」が含まれた酵素ドリンクも少なくない。飲むと、酵素がもつ、体内の新陳代謝を促す働きを得られ、減量効果だけでなく、痩せやすい身体をつくることができるともいわれる。

「痩せるかどうかはわからないけど、飲んでて身体にいい」

   そんな「酵素ダイエット」は中国人のあいだでも評判のようだ。

   中国・新華網(2015年1月6日付)が報じた、訪日中国人客の「2014年ショッピング傾向」によると、2000年以降は中国人客が日本で買うものといえばデジタルカメラや家電製品、腕時計、ブランドのバッグなどが主体だったが、14年は免税範囲が化粧品や食品、酒などにも広がり、日常的な商品の購入が増えた。化粧品では有名ブランドよりも防腐剤などを含まない天然成分の商品が好まれるようになり、また「14年に日本で流行った酵素ダイエットに関係する商品を買う女性客も多かった」と伝えている。

   とはいえ、「酵素ダイエット」をめぐっては、日本国内のインターネットの口コミなども評価が分かれている。

「痩せるかどうかはわからないけど、飲んでて身体にいいのは間違いないようだ」
「1食抜けるのは確かだよ。ちょっとだけど痩せている」
「1か月で7キロ痩せたよ」

といった好意的な声もあるものの、

「痩せるのは、結局のところ食べないからでは?」
「ダイエット方法なんて、それに合う人合わない人はいるんじゃねえの」

という声や、利用者の一部には、

「痩せない。高い。また失敗だ。」
「3か月、朝置き換えをストイックにやってきましたが、まったく体重は落ちませんでした」
「テレビで2日間のダイエットプランで、モニターが『お腹すきません』とか言ってるけど、うそ!」

と、効果が見込めないことへの憤りの声もみられる。

   一方、国民生活センターによると、「酵素食品(ドリンクを含む)の効能・効果」について寄せられた相談件数は、2012年度が44件、13年度が59件、14年度(15年3月2日現在)は51件だった。

   具体的には、14年8月に「電話で『腰痛のクスリより(酵素食品のほうが)効く』といわれて購入したが返品したい」、また同12月には「電話で『痩せる』と勧誘されて購入したが、価格が高く、効果がないので返品したい」といった相談があった。

   今のところ、効果についてはっきりした判断は下されていないのが実情だ。

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