川崎市立中学1年の上村遼太さん(13)が刺殺体で見つかった事件は、週刊誌やネット上などで取り上げられたリーダー格の少年(18)ら3人が殺人の疑いで逮捕された。残虐さが際立つ事件の背景には、何があったのだろうか。
リーダー格少年が2015年2月27日朝に警察に出頭したときのことは、テレビでなどでも報じられた。ネット上では、その様子が話題になった。
首に致命傷となる大きな切り傷は、頸動脈まで達していた
報道陣に囲まれた家の正面玄関から出て、足早に歩いてタクシーに乗り込む。大きなマスクをしていたものの、周囲を気にする素振りはなかった。父親が依頼したという弁護士が付き添っているのも、異例だった。
この少年は、取り調べに対し、「何も言いたくありません」と供述しているという。また、「事件のあった時間は自宅にいた」と容疑を否認しているという報道もある。逮捕されたほかの17歳少年2人は、「近くにいただけ」などと否認しているという。真相の解明は捜査の進展を待つしかないが、報じられる殺害現場の様子は凄惨極まるものだった。
多摩川河川敷で20日未明に遺体で見つかった上村さんは、顔や腕に切り傷があったほか、首に致命傷となる大きな切り傷が複数か所あった。その深さは、頸動脈まで達していたといい、死因は出血性ショックと分かった。ケーブルなどを束ねる結束バンドも付近から見つかり、手に防御創がなかったため、手を縛られるなどしたとみられている。さらに、ひざに新しいアザがあったことから、ひざまずかされたうえで殺されたとの見方もあった。
こうした惨状に、「人間がやることではない」と捜査幹部が漏らしたとも報じられている。関連はまったく分からないが、週刊誌などでは、過激派組織「イスラム国」の処刑をマネしたのではといった見方すら出ているほどだ。
報道などによると、上村さんは14年11月ごろから、リーダー格少年らの8人グループと付き合い出した。コンビニで万引きするよう命じられて断ったことから3人に日常的に暴力を振るわれるようになり、15年1月の中ごろには、左目に殴られたとみられる黒く大きなアザがあるのを友人から写真に撮られている。