人質の頭部を切断したり、生きたまま焼き殺したりする残虐行為を続けている過激派組織「イスラム国」のやり口は、相手が子どもでも変わりがないようだ。
国連機関が発表した報告書によると、「はりつけ」や生き埋めといった手段でイラクから誘拐してきた子どもの殺害が行われている。さらにひどいケースでは、精神障害を持つ子どもに自爆攻撃を強いることもあるという。
親の殺害場面目撃、心に傷追う子どもも多数
イスラム国は、現時点では支配地域をシリアとイラクの北部に広げている。国連の「子どもの権利委員会」が2015年2月4日に発表した報告書では、イラクの状況を調査した結果をまとめている。同委員会がイラクの子どもの状況を報告書にまとめるのは1998年以来17年ぶり。
報告書では、イスラム国がイラクから誘拐した子どもに対する残虐行為について、このように指摘している。
「宗教、民族的に少数グループに属する子どもの組織的殺害がイスラム国によって行われている。その中には、男児の大量処刑が含まれ、頭部切断、子どもの『はりつけ』、子どもの生き埋めの報告もある」
これに加えて、戦闘地域では「脱水、栄養失調、高温」が原因で死亡する子どももいる。
仮に生き延びたとしても状況は過酷だ。報告書では、イスラム国に誘拐された子どもは、「親が殺害される場面を目撃したり、身体的、性的虐待を受けたりして、多くがひどい心の傷を負っている」とも指摘している。