人気声優が観客に向かって投げたチョコレートをめぐってファン同士が奪い合い、その際に1人がけがをして医務室に運ばれる事態が起きた。
現場となったのは人気アニメ「ラブライブ!」のイベント会場だ。被害者の男性が騒動について警察や運営に相談したとツイッターで報告すると、「警察に言って今後ライブが出来なくなったらどうすんの?」と批判する人まで現れ、ラブライバーの間で波紋を広げている。
「いちいち大げさなんだよ」と被害者を非難する声
騒動は2015年2月1日、さいたまスーパーアリーナで行われた「ラブライブ!」声優らが出演するイベントで起きた。ツイッターなどの情報をまとめると、声優がファンにプレゼントするために投げたチョコの奪い合いでけが人が出てしまったようだ。
被害者だという男性や周囲にいた人たちのツイートによると、いったんは男性がチョコを手に入れたところ、ほかのファンが殺到。殴られた上にチョコを奪われ、医務室に運ばれた。男性は「目や腕、背中殴られ体中痛いしチョコは強奪されるし、ライブは最後まで見れない、(編注:出演した声優の楠田)亜衣奈さん最後まで応援出来なくて申し訳ない気持ち...」と悲しげに投稿している。
また、男性はガーゼを当てた目や、赤く腫れ上がった手の写真を投稿。病院で診察してもらい、運営や警察に相談したという。
多くの「ラブライバー(同作ファンの愛称)」は心配したり励ましたりする声を寄せているが、一部の人たちは違った。
「こいつは怪我させられた恨みにラブライバーを苦しめるため警察に連絡してこれからのライブを潰そうとしてるんやで」
「警察に行ったらライブ自体が開催できなくなるとか考えないの?バカなの?いちいち大げさなんだよ、体を鍛えてから出直せよ」
「ツイッターでお披露目してなにかよかった点はありましたか?」
などと、男性に対し非難するメッセージを送り続けた。とうとう男性は「皆さんの良い思い出に泥を塗るような事で申し訳ありません また、1人でも多く思いやりのあるライブが出来るように、このような事態はぼくで最初で最後になるよう祈っております...」と謝罪した。
「ほんの一部のせいで」とラブライバーは悲しむ
「ラブライブ!」は9人の女子高生がアイドルとして活躍する物語を描いた作品。マンガ、アニメ化され、熱狂的なファンが多いことで知られる。それだけに、会場の物販コーナーに大量のゴミが捨てられていた、アニメの舞台となった「聖地」で騒ぐラブライバーがいる、などとして、これまでもたびたび物議をかもしてきた。
ラブライバーの間では今回の騒動をめぐって、
「ライバーだけじゃなくて声優さんにも迷惑な行為。マナーの守れない奴なんかラブライバー辞めちまえ!」
「ほんの一部のせいでラブライバーはゴミとか言われるのは悲しい...」
「ラブライバーひとくくりで見られちゃうからマナーよく参加してた方々には迷惑極まりない...演者もまた悲しいよ...」
と波紋を広げている。
なお、イベント運営を委託されたバンダイナムコ ライブクリエイテイブは「個別の案件に関することなので詳細はお話できない」としながらも、「ご本人と直接やりとりをして、誠意をもって対応している」と説明した。今後は主催者とすり合わせを行い、注意喚起を行う可能性もあるという。