カップ焼きそば「ペヤング ソースやきそば」の虫混入問題を受け、製造元のまるか食品(群馬県)は2014年12月11日、全商品の生産・販売休止を発表した。
問題発覚後、インターネット上では混入そのものよりも同社の対応に批判が集まることとなった。消費者の反感を買ってしまった原因は何だったのか。
2商品の自主回収は「ポーズと受け取られた」
時系列で振り返ってみると、初めには「証拠写真」を巡る対応があった。12月2日に「ペヤングからゴキブリ出てきた。。。」としてツイッターで写真を公開した消費者は、問題の商品を回収しにやってきた同社担当者から「(調査)結果がでるまで元のtweetを消しておいてほしい」と言われたという。
消費者はこの時の説明に不満を抱き、「お互いのためが云々いって圧力かけてくるあたりカチンときた」とツイート。メーカー側の都合のいい言い分に、ネット民からは「お互いのためじゃない。メーカーのためだ」「普通に脅迫じゃん」などとブーイングが飛んだ。
次に問題視されたのが、まるか食品の最初のコメントだ。「製造過程で混入した可能性は考えられない」と主張し、J-CASTニュースの取材に対しても「考えられない」の一点張りだった。だが、調査段階でありながら断定的に自社の責任を否定することは、結果として大きな批判を招いた。
企業コンサルタントの大関暁夫氏はこうした初動のミスだけでなく、4日に発表した自主回収も反発を呼ぶ原因となったと指摘する。
まるか食品は4日、「通常の製造工程上、このような混入は考えられないことではございますが、食品の安心、安全の観点から万全を期すため」と説明した上で、指摘のあった商品と「同じ日」に「同じライン」で製造された2商品、約5万食を回収すると告知した。
これについて大関氏は、次のように分析した。
「メーカーは混入の可能性がないと考えているのであれば押し通すべきだった。可能性があると考えているのなら、1日分だけの回収では通用しない。ゴキブリがいるのはその日に限ったことではないのだから。結果的に消費者にはポーズと受け取られただろう。『ありえないんだけど、しょうがないな』と思っているとの印象を与えてしまった」