「ペヤング ソースやきそば」に虫が混入していたとする画像がツイッターに投稿された問題で、製造販売元のまるか食品(群馬県)は2014年12月4日に自主回収を発表した。
「通常の製造工程上、このような混入は考えられないこと」としながらも、「食品の安心、安全の観点から万全を期すため」と説明している。
調査結果のHP公表は「未定」
回収するのは「ペヤング ハーフ&ハーフ激辛やきそば」と「ペヤング ハーフ&ハーフカレーやきそば」の2種で、問題とされた商品と同じ日に同じラインで製造されたものが対象となる。広報担当者によれば、個数は約5万食にのぼるそうだ。
そもそもの事の発端は12月2日、ある消費者が「ペヤングからゴキブリ出てきた。。。」として麺に黒い異物が混入している画像をツイッターに投稿したことだった。翌3日、消費者が同社に連絡を入れると、担当者がやってきて問題の麺や容器を回収し、手元にある同種の商品を買い取っていったという。
ツイートによれば、調査結果が出るまで元のツイートは削除してほしいと言われたといい、同日中に画像を削除した。しかしその後も余波は広がり、3日夜には群馬県伊勢崎保健所が本社工場に立ち入り調査を行っている。
県の衛生食品課は4日、J-CASTニュースの取材に対し「原因が分かっていない段階では、製造過程で混入した可能性も否定できない。今後の調査で製造時の混入が確認された場合は、防虫対策や異物混入対策をさらに徹底するよう指導していくことになる」と説明した。
まるか食品の発表によると、混入の原因については外部分析機関にも委託して社内で調査を進めている段階という。広報担当者によれば、結果が出るまでには1週間程度かかるという。ただし結果は当該消費者には伝えるが、ホームページなどで公表するかどうかは「未定」とのことだった。
「ペヤング」といえば、「日清焼そばU.F.O.」(日清食品)や「一平ちゃん夜店の焼そばシリーズ」(明星食品)に並ぶカップ焼きそばの定番人気商品だ。中でも、まるか食品は「やきそば」シリーズだけで15商品もラインアップしている。
1929年に乾麺類の製造販売業として創業し、62年には即席ラーメンの製造を始め、64年に「まるか食品」が誕生した。「ペヤングソースやきそば」は75年に発売した商品で、当時四角い容器のカップ麺は業界初だったそうだ。約40年の歴史を持つロングセラー商品とあってファンも多いだけに、動揺は広がっている。今回の一件を受け、同社には少なくない数の問い合わせが寄せられたという。
「あり得ないの一言で片付けられてしまいました」
広報担当者は3日、J-CASTニュースの取材に対して「製造過程で混入した可能性は考えられない」と説明し、虫が混入していたという苦情も「初めて」だと話していた。
すると記事公開後、当サイトには複数の消費者から「過去に同様の苦情を入れたことがある」という意見が届いた。真偽は不明だが、ある男性は4年ほど前に本件と同じような虫が混入しているのを開封後に発見したという。苦情を入れたそうだが「あり得ないの一言で片付けられてしまいました。現に虫の入った商品を送りましたが言い分は変わりませんでした」と振り返る。
そのため4日、同社に再度取材したところ、同じ担当者は「『初めて』というのは虫の混入全般を指したものではないので、訂正してもらいたい。今回のような大きな虫が麺に混入しているという苦情は初めてということで、小さな虫の苦情は過去にも何件かあった」と説明した。なお、これまでの「小さな虫」が商品のどの部分に混入していたかについては「お話する必要はない」とした。
なお、インターネット上には元従業員を名乗る人物が「ゴキブリなら作業場だけでなく玄関先、食堂でもよく見かけたよ」「生地練るミキサー室は、勿論だしフライヤー室、仕上げのフロアにもゴキブリ沢山いたよ」などと書き込み注目を集めているが、真偽は全く不明だ。