安倍首相、「脱税疑惑記事」質問で激高 今度は「週刊誌憎し」の感情が爆発

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   国会答弁で感情をあらわにすることが増えている安倍晋三首相が、また質問者に対して激高する場面があった。

   2014年11月4日の参院予算委員会で、安倍首相の脱税疑惑を指摘した07年の週刊誌記事をもとに「時効の利益を放棄して自発的に納税してはどうか」などと質問した社民党の吉田忠智党首に対して「ただ今の質問はね、私、見逃すことできませんよ?重大なですね、名誉棄損ですよ!」などと食ってかかったのだ。

   この週刊誌の記事は、第1次安倍内閣が退陣に追い込まれた直後に発表されている。安倍首相は、記事を「まったくの捏造」と断じるが、週刊誌では脱税疑惑を「安倍首相を辞任に追い込んだスキャンダル」と自画自賛している。安倍首相としては古傷に塩を塗られた形で、いつもに増して感情が先行したようだ。

「時効の利益を放棄していただいてですね、自発的に納税してはいかがかと思いますが」

この「週刊現代」記事が安倍首相を怒らせた
この「週刊現代」記事が安倍首相を怒らせた

   吉田氏が国会で取り上げたのは、「週刊現代」07年9月29日号のトップ項目に「本誌が追い詰めた 安倍晋三『相続税3億円脱税』疑惑」と題して掲載された記事。父親の故・安倍晋太郎元外相が生前に個人資産を自らの政治団体に寄付し、安倍首相はこの政治団体を引き継いだ。その過程で相続税を不正に免れていた疑いを指摘する内容だ。

   9月29日号は9月15日に発売され、週刊現代が安倍事務所に送った質問状の回答期限は9月12日だった。だが、安倍首相側は質問状に回答しないまま、9月12日14時に会見を開いて辞意を表明したという経緯がある。

   委員会では、吉田氏はこの経緯は特に説明せず、記事の内容を要約して話すにとどめた。その上で、

「脱税額3億円について、確かに時効になっています。ぜひ、時効の利益を放棄していただいてですね、自発的に納税してはいかがかと思いますが」

とたたみかけた。その直後に安倍首相は激高、一気に吉田氏を責め立てた。安倍首相が怒った原因は、大きく2つあるようだ。ひとつが、吉田氏の質問が週刊現代の記事のみを根拠にしていたという点だ。

「ただ今の質問はね、私、見逃すことできませんよ?重大なですね、名誉棄損ですよ!吉田さんは、今その事実をどこで確かめたんですか?まさか週刊誌の記事だけじゃないでしょうね?週刊誌の記事だけですか?週刊誌の記事だけで、私を誹謗中傷するというのは議員として私は恥ずかしいと思いますよ?はっきりと申し上げて。この予算委員会の時間を使って、テレビを使って、恥ずかしくないんですか?自分で調べてくださいよ!それくらいは」

   もう一つが、吉田氏の質問が、記事の内容が事実だという前提に立っていたことだ。

「これ(記事の内容)は全くの捏造です。はっきりと申し上げておきます。当たり前じゃないですか!これは少し、委員会で問題にしていただきたいと思いますよ?こんな私を、まるで犯罪者扱いじゃないですか!時効とか言って今、吉田さんちゃんと答えてくれなければ、ちゃんと答弁できませんよ!」
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