インターネット上にはお笑い芸人の「美談」がいくつも転がっている。ほとんどが出所不明にもかかわらず、FacebookなどのSNSで「感動した!」「いい話だ...」とシェアされ、拡散し続けている。
最近ではその真偽を芸人自ら語る機会も増え、完全否定されたものも少なくない。このほど放送されたテレビ番組では新たに2つのエピソードが「デマ認定」された。
江頭を悩ます「車いす少女との心温まる交流」
美談ネタを取り上げたのは、2014年10月29日放送の「水曜日のダウンタウン」(TBS系)だ。プレゼンターとして登場したカンニング竹山さん(43)が「ネットに転がる芸能人のイイ話ほぼほぼデマ説」を掲げ、実際に何人かの芸人に真偽を確かめたというVTRが放送された。
そこで完全なるデマと判明した1つが、江頭2:50さん(49)の次のエピソードだ。
江頭さんがとある公園でロケをしていると、公園に隣接した病院から抜け出してきた車いすの少女がその様子をじっと見ていた。ロケが終わった江頭さんに「つまらない」「全然面白くない」と言う少女に、江頭さんは「お前が笑うまで毎日ここでネタを見せてやろうか!」と告げた。それから毎日、仕事の合間をぬっては公園に足を運んでネタを披露し続けたが、少女は全く笑わなかった。
1か月が過ぎたある日、少女が突然来なくなった。そして1週間後にふと現れ、ネタを見せると初めて少しだけ笑った。翌日も公園に来なかったため、江頭さんは病院に行って看護師に尋ねた。そこで、少女の容態が1週間前に悪化し、現在昏睡状態であることを知った。看護師から手渡された少女の日記には「だいすきなげいにん えがしらさん」と書かれていた。
それから10年経った今でも、江頭さんは月に一度はその公園を訪れて花をたむけ、天国の少女に向けて1人でネタを披露している...というものだ。ベタな「お涙ちょうだい」ドラマの筋書きのようだが、Facebookを中心に「泣けるわ...この話」「江頭いい人...」などと多くの反響を呼んでいる。
しかし江頭さんは番組内で「嘘に決まってるでしょ!俺を潰す気か。いい人キャラにするんじゃないよ」と全否定。この話が広まったことで「人生が変わる1分間の深イイ話」(日本テレビ系)からオファーが来たことも明かし、「俺じゃないっつーんだよ。毎日ネタやるってさ、俺そんなに暇じゃないんだよ」と困り果てた様子だった。