2014年のノーベル物理学賞が3人の日本人研究者に決まったと日本が沸き立つなか、何かと日本をライバル視する韓国の心中は複雑なようだ。これで日本のノーベル賞受賞者が22人になったのに対し、韓国は平和賞を受賞した金大中元大統領1人しかいないということもあるようだ。
韓国メディアは中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授について、日本人の受賞ではない、としたり、中村教授が言った「日本には真の研究の自由はない」というネガティブな見出しを掲げたりしている。
「中村教授は日本で生まれて育ったが現在は米国籍だ」
日本人の受賞に対し、韓国メディアは当初、日本の科学界は驚くほど底力がある、韓国も見習うべきだ、などと珍しく称賛していた。ところが、聯合ニュースは2014年10月8日付け電子版で、日本の研究者社会を批判する中村教授の経歴に関する記事をまとめた。 教授は徳島県の田舎の平凡な会社の研究者として働き始めたが、研究費どころか鉛筆を購入するのも難儀する状況だった。当時の社長に直談判し青色LEDの開発許可を得たものの、社内には開発中止を求める動きもあった。39歳で偉業を成し遂げたが、結局は退職金なしで会社を退社することになった。米国に行く前に「まだ退職していないのか」などと言われたことや、特許の報奨金を巡り、巨額の訴訟に発展したことなどを指摘した。そして、「怒りが研究成果の原動力であった」「米国では、誰もがアメリカンドリームを夢見ることができますが、日本には本当の自由がない」との中村教授の発言を掲載した。
また、中央日報は、
「中村教授は日本で生まれて育ったが現在は米国籍だ。これで日本出身のノーベル科学賞受賞者は19人、日本国籍者は17人となった」
という記事を書いた。
文化日報電子版も、
「ノーベル賞中村『ジャパニーズドリームはない』」
という見出しを躍らせた。記事ではウォールストリートジャーナルのインタビューを引用し、「米国に来た際に自分の境遇について話すと、彼らは私を『奴隷中村』と呼んだ」と紹介した。どうしても素直に祝福できないらしい。