「大きすぎて潰せない」金融機関 この難問を解決する規制案が浮上

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   国際的な巨大銀行の自己資本比率の規制を強化する議論が本格化している。2014年11月の20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で、最低比率を現行の約2倍の16~20%に引き上げる案が示される見通しだ。

   日本の3メガバンクも巨額の資金調達を迫られる恐れがあり、日本は各国の事情に応じた柔軟な対応を主張。厳格な規制を求める米国などとの間で、激しい駆け引きが繰り広げられそうだ。

巨大銀行を公的資金で救済せずに済む

巨大銀行を公的資金で救済せずに済ませるには?
巨大銀行を公的資金で救済せずに済ませるには?

   新たな規制の対象は、破綻すれば金融市場に影響が大きい世界の29金融機関で、日本の3メガバンクも含まれる。29金融機関は2019年までに自己資本比率を8%以上にすることが決まっているが、これに加えて、経営破綻時に返済順位が低い劣後債などをさらに積み上げることが検討されている。

   新規制案には、2008年のリーマン・ショックを教訓に、金融機関が「大きすぎて潰せない(too big to fail)」という問題を解決する狙いがある。また金融危機が起きても、債権者に負担を求めて損失を吸収するしくみを整えておけば、巨大銀行を公的資金で救済せずに済むというわけだ。

   日本の3メガバンクの自己資本比率は現在15%前後。このため「16%程度への引き上げであれば、対応可能」(メガバンク幹部)と冷静な受け止めが多い。資本の積み上げは普通株ではなく、劣後債がメーンとみられるため、株式1株当たりの価値が薄まる懸念もない。また、「新規制の実施は5年以上先で、基準達成にはさらに猶予期間が設けられる」(金融関係者)という見通しも、日本の銀行業界を楽観的にさせている。

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