「二度と泊りたくない宿」と書かれた旅館 宿泊客へのモーレツ反撃が物議醸す

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   群馬県の草津温泉にある旅館が、「二度と泊りたくない宿」と宿泊予約サイトのクチコミに投稿した客に、客の方こそ横暴な行為をしていたと反撃したことが話題になっている。

   30代の女性という客は、予約サイト「じゃらんnet」に2014年7月12日、旅館を批判する書き込みをした。

客室を壊した上に会計もせず逃げようとした??

   女性は夫婦2人でこの月、源泉掛け流しの露天風呂付和室に計5万円をかけて泊まったというが、「サービスとか、食事は3000円のビジネスホテルの方が良いと思うほど失望」したと明かした。そして、「もう二度と、草津温泉は行きたくないです」と吐き捨てた。

   これに対し、旅館はこの月27日になってクチコミ上で返信し、「客室を壊した上に会計もせず逃げようとした」などと女性側を非難した。女性は韓国人だったのか、「警察を呼び裁判を起こす、韓国領事館に連絡するなど暴言暴挙を3時間もの間繰り返して他の宿泊客や近隣の住民にまで迷惑をかけた」とも指摘した。「御自分の都合が悪くなるとハングル語で話し出し会話にならない!」として、「サービス云々の前に会計はして下さい!」と反論している。

   このやり取りは、ツイッターなどで次第に話題になり、ネット上では、旅館の思い切った書き込みを賞賛する声まで出た。「逆恨みで評価下げるやつに反論出来るようになったのか」「旅館GJだわw」といった反応が出ており、クチコミに投稿した客には、「草津どころか日本に来るな」「住んでるんなら自分の国へ帰れ」といった批判が相次いだ。

   その後、旅館がブログなどで、他の宿泊客についてもマナーなどを非難していることが話題になった。

   旅館では全館で禁煙にしているにも関わらず、客室でタバコを平気で吸ったりしている客がいるなどといったことだ。

宿泊客は、旅館組合に対し「事実無根」だと抗議

   タバコ問題では、客室のトイレで吸って、吸殻を便器に捨てて詰まらせる客がいることも明らかにした。ブログでは、宿泊客の住んでいる地域や年齢、性別などを挙げ、非常口や部屋の窓から吸殻をポイ捨てしたことについて、「放火未遂ですよ!!」と非難している。

   ただ、ブログなどの内容が知れ渡るにつれ、旅館側に対しても、客商売としては、あまりにもやり方が強引すぎるとの批判もネット上で出るようになった。

   旅館のホームページなどを見ると、客室で、喫煙ばかりでなく、香水を使った場合も、宿泊料の倍額を請求するとあった。19時半以降の到着なら夕食は出さず、食事もアレルギーや苦手食材には対応しないともあった。さらに、ブログでは、食事時間などに無理難題を言った客について、本人が特定されるような画像を載せて、「薬でもやってるの?ってレベル...」などと罵倒していたことも分かった。この記事は、その後に削除されている。

   ブログにおける自己紹介では、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」で特殊能力を指す言葉を使って、「ATフィールド全開の孤独なイジケ虫です」などと自虐的なことを書いていた。

   旅館の経営者男性(35)にクチコミ上の反論について取材すると、「ネットで話が盛り上がっているようですが、その件については当事者同士ですべて終わっていることで、話すことはないと思います」と答えた。マナーが悪い客が増えていることについては否定し、「外国人は多いですが、マナーはいいですよ。外国人かどうかは、関係ありません」という。

   喫煙などで倍額を請求することについては、「臭いを消すために、ハウスクリーニングをしなければならないからです」と説明する。宿泊客が特定できるブログ記事があったことには、「私ではなく従業員が書き込んだと思われますので、確認したいです」とした。旅館の仕事は親から引き継いでから5年ほどしているというが、「この仕事は好きですよ」と言っている。

   草津温泉旅館協同組合の事務局長は、取材に対し、クチコミ上で旅館を批判した韓国人とみられる人から電話があり、旅館が主張したことについて、「事実無根」だと抗議があったことを明らかにした。これに対し、組合では、旅館に対し、トラブルを解決するよう対処を要請したことも明かした。

   外国人のマナーもよくなっており宿泊客によるトラブルが増えているとは聞いていないとし、こうしたことで草津の名が出ることに困惑している様子だった。

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