スコットランドで、独立の是非を問う住民投票の実施まであと1日となった。賛成が反対を上回れば英国からの分離が決定的となり、世界的にも大きな影響が出そうだ。
日本国内でも一部で「沖縄独立」を唱える勢力があるが、仮に同様の手順を踏めば日本からの分離独立が認められるのだろうか。
日本国憲法に日本からの分離独立に関する規定なし
独立か否か――。現地時間2014年9月18日に行われる住民投票で、スコットランドの未来が決まる。
スコットランドでは、当時のブレア首相が自治拡大を推進し、「1998年スコットランド法」によって翌99年にスコットランド議会が設置された。今回の住民投票は、2012年に同議会第1党のサモンド党首と英国のキャメロン首相の合意に基づいて実施されるものだ。それだけに結果は重く受け止められるのは必至で、キャメロン首相は現地を訪問して住民に「英国にとどまる選択をしてほしい」と訴えた。
近年、分離独立を果たした国は南スーダン(2011年)、コソボ(2008年)、東ティモール(2002年)があり、日本はいずれも国家として承認した。一方、ウクライナからの分離独立を決めたクリミアの場合、ロシアは独立国として承認する一方、日本は現時点で認めていない。シリア東部からイラク北部にかけて拡大する「イスラム国」に至っては、国家樹立を宣言したとはいえ、米国など多くの国からは「イスラム過激派集団」として非難されている。広く国際社会から認められるのが、「独立国家」としての大きな条件だ。
世界を見ると、分離独立を求める一定の勢力が存在する地域はほかにもある。スペインのカタルーニャでは、2014年11月にスコットランド同様の住民投票が行われる可能性がある。ただし中央政府は反対の意向だ。同じくスペインのバスクも独立志向が強い。カナダ・ケベックでは1995年、住民投票で独立の是非が問われたが、僅差で「独立反対派」が上回った。
日本でも、しばしば「琉球独立論」を耳にする。例えば「かりゆしクラブ」(旧・琉球独立党)という団体は1968年から独立運動をしているようだ。ただ、日本国憲法には日本からの分離独立に関する規定はなく、現行憲法下で独立した事例も存在していない。