報ステのあまりに酷い「恣意的報道」 規制委員長が質問への回答を一切拒否したかのような編集行う

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   テレビ朝日のニュース番組「報道ステーション」は2014年9月12日、九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)の新規制基準適合に関する報道に誤りがあったとして番組内で謝罪した。

   「2点に関しまして大きな間違いを犯しました。本当に心からおわび申し上げます」――。キャスターの古舘伊知郎氏(59)は神妙な顔もちで頭を下げた。

1人目に回答した部分は取り上げず、拒否した部分だけを放送

原子力規制員会HPではテレビ朝日からの謝罪文書も公開している(画像はHPのスクリーンショット)
原子力規制員会HPではテレビ朝日からの謝罪文書も公開している(画像はHPのスクリーンショット)

   誤りがあったとされたのは9月10日の放送内容だ。原子力規制員会はこの日、川内原発1、2号機が新規制基準に適合するとの審査書を正式に了承した。番組ではその後に開かれた記者会見の内容を報じていたが、その中で2つの問題点があった。

   1点目は、竜巻による影響評価ガイドに関する質疑の内容を火山のものとして伝えたこと。規制委員会が火山の審査基準について一部適切でないことを認め、今後修正を検討していくと報じた上で「修正した基準で再審査すべき」と主張していた。だが、現時点で修正の検討は予定されていない。

   2点目は、田中俊一委員長の発言姿勢に誤解を与える編集を行ったことだ。2人の記者が火山に関して質問する様子を連続して流した後、田中委員長が1人目に回答した部分は取り上げず、2人目に対し「答える必要がありますか?なさそうだからやめておきます」と拒否した部分だけを放送した。

   古館氏は2点目について「色んな質問に対して委員長が一切答える気持ちがないようにとられてしまう印象だと思います」として、編集でカットしたことを「大きな間違い」と断じた。12日の番組では、1人目への回答部分を放送した。

   番組では2人目の記者との具体的な質疑応答は放送されなかったが、「答える必要がありますか?」というコメントは同じ記者に対する3度目の回答部分だった。規制委員会が11日にホームページ上に公開した番組に対する抗議資料でその点が明らかにされている。

「節操なさすぎ...」「誤りじゃなくて故意」

   委員会は記者2人の質疑の全貌を文字起こしして、

「二人目の質問については、その直前に当該記者から行われた質問と同じ内容の質問が繰り返されたので、これに対し、田中委員長が答える必要があるか疑問を呈されているものです。当初から答える必要がないと委員長が回答したような編集は不適切です」

と問題視していた。

   竜巻と火山の取り違えはともかく、回答部分のカットは「意図的」な偏向編集だ。

   かねてから反原発寄りが指摘されている同番組だが、10日の放送では審査書の正式決定に「3つの疑問点がある」と打ち出し、批判色を強めた。避難計画や重要施設の完成時期について指摘した後、「さらに大きな問題がある」と火山の問題を強調。VTR後には古館氏が「ちょっと考えられないですけどね」とコメントしていた。

   報道ステーションといえば、親会社である朝日新聞の慰安婦記事問題を取り上げてこなかったことで批判が高まっていた。朝日新聞が謝罪会見を開いた9月11日のタイミングで慰安婦問題を特集したが、検証記事が出てから5週間もスルーしてきたことについての具体的な説明はなく、視聴者からさらなる不満の声が噴出した。

   今回の「誤り」を受け、インターネット上には

「朝日ブランドって地に落ちてますね」
「報ステは二日連続で謝っているけど、誤りじゃなくて故意だからな」

といった非難のコメントが相次ぎ寄せられている。

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