報ステ・古舘氏の「慰安婦検証報道」批判 論調は朝日が検証記事で主張した中身と同じ

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   朝日新聞の慰安婦報道検証をこれまで報じなかったテレ朝系「報道ステーション」が、朝日新聞社長会見後になって初めて取り上げた。キャスターの古舘伊知郎氏は「取材を続けていた」と釈明したが、なぜこんなに遅くなったのかとネット上で批判も相次いでいる。

   「まず最初にお届けするニュースです」。古舘伊知郎氏が2014年9月11日夜の番組冒頭でこう告げると、慰安婦検証などに当てた放送時間は約50分もの異例の長さになった。

「プロセスの説明がない」と朝日を批判

古舘氏も説明すべき?
古舘氏も説明すべき?

   番組では、朝日新聞の木村伊量社長らがこの日夕に謝罪会見した様子を流し、古舘氏は、その会見内容について次々に苦言を呈した。原発の吉田調書問題については、「なぜ記者が読み誤ったのか」と間違いのプロセスにきちっとした説明がなかったことを批判した。また、池上彰氏のコラム掲載見合わせ問題については、「やはりどうして見送ったのかというのをもっと詳しく聞きたかった」と注文をつけた。

   そして、いよいよ本題の慰安婦検証になると、今度はかなり皮肉を込めてこう述べた。

「私の印象ではありますが、主体が吉田調書であり、慰安婦問題に関する謝罪というのは、その後のいわば付け足しのように見えたという印象を正直持ちました」

   これは、慰安婦問題に焦点が当たるのを避けたのではというネット上でも多く見られた意見にもあったことだ。

   ところが、朝日の検証記事が出てから5週間にもなるのに、番組でこれまで報じてこなかったことについては、こう釈明しただけだった。

「この番組は、取材を続けておりました。そして、今日検証をさせていただくという運びになりました」

取り上げなかったプロセスの説明はなく

   古舘伊知郎氏は番組で、「なぜお前は報道しない」「なぜ番組は朝日新聞のこの報道に関しての検証をしない」という視聴者からの意見や批判が毎日毎日寄せられていたことは明かした。しかし、取り上げるまでなぜ5週間もかかったのか、それがなぜ朝日新聞社長の会見時になったのか、について説明はなかった。古舘氏が朝日批判で口にしたプロセスの説明が、はっきり欠けていた形だ。

   番組を見ると、確かに、事前に取材を進めていたような様子は見られた。

   朝日が虚偽とした吉田清治氏の証言について、慰安婦問題を訴えた挺身隊問題対策協議会初代代表の尹貞玉さん(90)に会って取材したり、慰安婦に関する1993年の河野談話に関わった元官房副長官の石原信雄さん(87)にインタビューしたり、多くの話を集めていたからだ。

   何かの機会を見て、番組でも放送しようとしていたことはあるかもしれない。古舘氏は、朝日新聞が吉田調書問題と抱き合わせにせず、慰安婦問題だけを単独でちゃんと謝罪しなかったことを番組の中で繰り返し批判しており、朝日の動きを受けて取り上げたかった思いがにじみ出ていた。

   しかし、番組の論調は、朝日が検証記事などで主張していた通りになっていた。番組では、強制連行があったとまでは言えないものの、広義の意味における慰安婦への強制性はあったということを繰り返し紹介していたのだ。古舘氏は、強制性があったとする河野談話を擁護する立場も明確に宣言しており、これに対し、ネット上では、慰安婦問題はどの国でもあったのになぜ日本だけが悪いということになるのか、などと疑問が出ている。

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