同志社大学のイベントサークルが「肝試しホモ試し」という納涼企画を立て、ハッテン場と呼ばれる男性同性愛者の出会いの場に行く、とツイッターで発表した。すると、大学に同性愛者と思われる人らから多数の批判が寄せられ、大学はこのサークルの団体登録取消処分を行った。一方、サークル側はツイッターで繰り返し謝罪したほか、サークルのブログにも謝罪文を掲載した。
今回の企画には「同性愛者を差別する行為だ」などといった批判が起こり、ツイッターでは大学に抗議しようとの呼びかけも出ていた。
「ハッテン場」に午前2時頃に行って涼を求めよう
処分された同志社大学のサークルは「モチコミ企画」という名称で、激辛店舗の食べ歩き、段ボールハウスを作ろう、カルピスは何で割ればうまいか、クリスマスに男たちだけでパーティーをやる、といった他愛もないことをして、その様子を写真付きでブログにアップしていた。
2014年8月上旬に企画したのは「肝試しホモ試し」。京都にある「ハッテン場」に午前2時頃に行って涼を求めようというものだった。この企画をツイッターで発表したところ、同性愛者を笑いものにし差別する行為だ、などと激怒する人たちが現れた。
2000年にホモやゲイを狙い恐喝や暴力が繰り返され殺人事件に至った東京の「夢の島殺人事件」を持ち出し、「ゲイの弱みにつけ込み、ホモは被害届を出さないといったあの事件に共通する」などと主張する人も現れた。ツイッターでは
「再発防止のために、何か残せるような決着をめざしたい」
とし、大学やサークルへの抗議呼びかけも出た。
この騒動を受け同志社は14年8月20日、同性愛者の方を深く傷つけ、その他多くの方々から批判を受ける結果になったとし、同志社大学学生支援センター所長の名前でサークルの団体登録取消を通達した。
「社会的な問題に関し無知だった」
団体登録が取消される前日の19日付けでサークルは「被害を受けた皆様」という題の長文の反省文を書き、サークルのブログに掲載している。おおむねこんなことが書かれている。
今回の企画の発想自体がとても危険な可能性を持っていることに気付かずに、結果的にセクシャル・マイノリティの方々を差別視してしまった。自分たちがどれだけ軽率であったのか、どれほど不愉快な思いをさせ、傷つけてしまったのかを強く感じた。社会的な問題に関し無知であり、どうなってしまうのかを考えられなかったことに恥じている、などという内容だった。反省文と大学側の通達文はサークルのブログにアップされていて現在も読むことができる。
学生の反省文と大学が下した処分について、今回の騒動を問題視している人たちの中には、
「団体登録取り消しだけ?生ぬるいわ!!どんだけ人を傷つけたか考えろ」
「彼らが犯した同性愛差別、なぜ悪いのか、多くの当事者を傷つけたことを本当に猛省して欲しい」
などといった意見がある一方、学生の企画を早く発見できて行動を阻止できたことが一番大きかったと胸を撫で下ろす人もいる。