内戦中のシリアで拘束されたとみられる民間軍事会社「PMC」代表の湯川遥菜さん(42)のFacebookページやブログには、元航空幕僚長で軍事評論家の田母神俊雄氏(66)と一緒に撮った写真が掲載されていた。
これを受けて田母神氏は2014年8月18日、ツイッターで「何千人かと撮った写真の一枚」で記憶にないと説明した。この内容を巡ってインターネット上では3日経った今も、さまざまな意見が噴出している。
「いつ彼に会ったのかも覚えておりません」
湯川さんのブログによれば、写真は2013年末に都内で開かれた政治運動団体の忘年会で撮影されたものだ。田母神氏はこの団体の会長を務めていて、写真の中の2人は微笑みながら握手をしている。
翌月に会社設立を控えていた湯川さんは営業活動の一環だったのか、この会で政治家を含む多くの人と名刺交換や記念撮影をしたという。
シリアで拘束されたとみられる日本人が湯川さんである可能性が浮上すると、この写真はすぐに注目を集めた。すると田母神氏は、18日にツイッターを更新。マスコミなどから20回以上問い合わせがあったことを明かした上で、次のようにコメントした。
「彼との写真は私が何千人かと撮った写真の一枚です。いつ彼に会ったのかも覚えておりません」
「私は湯浅氏(編注:湯川氏の誤り)とは全く面識がありませんのでコメントのしようがありません。マスコミの皆さん、よろしく」
田母神氏は「全く面識がない」とするだけで、ツイートに安否を気遣う言葉などはなかった。そのため田母神氏のアカウントには、
「記念写真撮って面識が無いって言うんですか…へぇ…」
「日本人が拘束されているのですよ。彼を思いやる言葉の一つも出ませんか?」
「ホント頼りがいの無い人だな・・・。志のある人はもうこの人頼りにしたらダメだよ」
などと批判的なコメントがいくつも寄せられた。
19日には提言型ニュースサイト「BLOGOS」に站谷幸一氏の「シリア邦人拘束事件と馬脚を表した田母神俊雄」という記事も掲載され、站谷氏は
「唖然とするしかない。イスラム過激派に怯えたとは思いたくないが、『自分は無関係だ。マスコミは来ないでくれ』と小役人のようなことを言ったのである」
などと非難した。