テレビ朝日が始めた動画投稿サイト「みんながカメラマン」の利用規約が酷すぎるとネットで「大炎上」中だ。
2014年8月11日からスタートしたこのサイトは、視聴者が事件や事故、ハプニングなどを撮影した動画や写真を投稿し、テレ朝はそれを自社のニュース番組、ネットニュースなどでも使用する、という仕組み。採用されても謝礼はなく、そのうえ映像に対する苦情やトラブルが起きた場合は投稿者自らが対応しなければならない。さらに、テレ朝に何らかの被害が出れば投稿者に賠償させる、というものだ。
著作権について「投稿者は一切の異議を申し出ないものとします」
「あなたが撮影したニュース映像を、ぜひテレビ朝日に送ってください」――そういう呼びかけで始まった「みんながカメラマン」。視聴者参加型の企画で、事故や事件など偶然その場にいなければ撮影できないスクープ映像や、ハプニング映像をニュースなどの番組に生かそうという取り組みだ。しかし、この企画が始まった11日、利用規約を読んだ人たちから驚嘆の声が挙がることになる。あまりにも「ふざけ過ぎている」内容であり、「怖くて使えない」というのだ。
問題になっている利用規約にはこんなことが書かれている。まず、撮影から投稿までにかかる費用は投稿者持ちで、仮に動画などが放送やインターネット、出版などに使われても報酬は発生しない。また、投稿動画などはテレ朝が自由に編集・改変することができるし、著作権に関しては「投稿者は一切の異議を申し出ないものとします」と書かれている。
これだけでは終わらない。投稿データの利用によって投稿者に損害が生じてもテレ朝は一切の責任を負わないとし、
「投稿者は、投稿データの利用に関して第三者からテレビ朝日に何らかの異議・請求等があった場合、テレビ朝日からの要求に従い、投稿者の責任と費用において解決します。また、投稿データの利用が第三者の権利を侵害したとして、テレビ朝日が損害を被った場合は、これを賠償します」
というのだ。
投稿者を一切守らないというのがジャーナリズムなのか?
他のキー局の動画の投稿を求めるサイトはどうなのだろうか。フジテレビなどの利用規約を見てみたが、投稿者に問題の解決を求めたり、賠償請求したりすることはないようだ。
ネットではテレ朝の利用規約を読み、怒りを爆発させる人が続出し「大炎上」している。
「恐ろしいなこれ」
「トラブル時に責任を押し付ける規約。こんな規約今まであった?」
「テレビ局側は投稿者を一切守りません、ってのがジャーナリズムなんか?保身しか考えてないだろって印象」
「もう朝日グループに常識もとめるのが無駄だろ」
などといった意見が出ている。
ネット上の批判をどう受け止めているのか、テレ朝広報に問い合わせているが返事はまだ来ていない。
(14年8月12日19時15分追記)テレビ朝日広報部から、「当社投稿サイトについて様々なご意見があることは承知しております。現在、投稿規約の改訂を行っております」との回答を得た。