高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
増税路線を遮二無二進める財務省 ついに「消費税10%超」が動き出した

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「財務省が財政改革をするはず」?

   マスコミ諸氏のいうように、財務省にとって小泉時代が「よき時代」なら、当時の政府資産売却反対、埋蔵金取崩反対は何だったのだろうか。マスコミは、財務省が財政改革をするはず、というか財務省にそうしたレクを受けて信じ込んでいるにすぎない。

   さらに、筆者にとって興味深いのは、小泉時代の「増税なしで財政再建」に対する財務省の反応だ。ひたすらこの事実を言わないようにしている。その一方、財務省からの発信ではないだろうが、小泉時代は格差が拡大したとかのネガティブキャンペーンがいまだにある。事実としては、小泉時代には格差は広がらずに成長し財政再建したのだったが。

   そして今、財務省は増税路線を遮二無二進めている。政権運営に不慣れな民主党時代に消費税増税法案を成立させ、安倍政権で8%への増税をまず実現させ、さらに10%への再増税(2015年10月)について、今年(14年)12月には、最終判断が予定されている。さらに、次の10%超への消費税増税に向けて動き出したらしいという噂がある。そこでは、経済成長、資産売却や埋蔵金の話などは、再増税、再々増税に不都合なので一切出ない。ひょっとしたら、消費税増税後の今の景気の落ち込みさえ、再増税の口実にするのかもしれない、という予感さえする。

   今と小泉時代のどちらを財務省がいいと考えているのか、答えは明らかだろう。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「さらば財務省!」、「日本は財政危機ではない!」、「恐慌は日本の大チャンス」(いずれも講談社)など。


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