中国上海の食品会社が消費期限の切れた肉を再加工し、ハンバーガーチェーンやコンビニなどに卸していた問題で、コンビニチェーン大手「ファミリーマート」に対する反発が起きている。傷んでいた可能性のある商品を販売していたことではなく、今後も「信頼できる相手を探して中国との取引を継続する」と中山勇社長が語ったからだ。
2007年から2008年にかけて起きた「毒餃子事件」をきっかけに、中国から輸入される食品に対する信頼は低下するばかり。「まだ中国のものを食わせる気か」ということらしい。
テーブルの上には青く変色した牛肉が置かれていた
今回の事件は中国のテレビ局の調査で明らかになった。米食品会社大手OSIグループの「上海福喜食品」が使用期限の切れた肉を使って加工品を製造し、さらに製造日を改ざんして国内外の飲食店、コンビニなどに販売していたというのだ。販売先として名前が挙がっているのがケンタッキーフライドチキン、スターバックス、ドミノ・ピザ、セブン・イレブン、吉野家などで、日本ではファミリーマート、日本マクドナルドが仕入れて販売したことが分かった。
中国中央テレビが撮影した「上海福喜食品」で行われていた行為は衝撃的なものだった。食品加工をしている作業場の床に散乱している肉を拾って加工したり、テーブルの上には青く変色した牛肉が置かれたりしていた。この牛肉は7か月ほど期限が過ぎたものだそうで、これを細かくし包装し直して、さらに保存期間を1年に延ばすなどの偽装を行うのだという。使用期限が2週間過ぎたという鶏肉も出てきて、「使っても構わない」といった従業員同士のやり取りも撮影されていた。
上海市当局が工場を閉鎖し製品を押収したのが2014年7月20日。ここから商材を仕入れていた世界各国の会社が謝罪することになった。日本ではファミリーマートが7月22日付けでチキンを使った 「ガーリックナゲット」「ポップコーンチキン」の販売を中止したと発表し、謝罪した。日本マクドナルドも同日、「チキンマックナゲット」の約2割をこの会社から輸入していたとし、販売を中止したと発表して謝罪した。いまのところ問題の会社の商品を使用したことが分かっているのはこの2社だけだ。
中国産の食品については「毒餃子事件」以降も規定量以上の農薬が検出されたとか病死した肉が売られているなどの報道が相次いでいて、中国産表示のものを避ける人もいる。ネットではファミマやマクドが中国産の鶏肉を使用していたことを初めて知ったという人も多く、知っていたら買わなかったといった発言も出ている。
ファミマやマクドは氷山の一角であり、他にも扱っている会社が日本にはあるのではないか、とネットでは疑われている。
「反省するなら中国辞めろや!!あほか!!」
そんな中でファミマの中山社長が記者団に対し、今回の事件について語った一言が批判の火種になってしまった。中山社長は今後こうした事件に巻き込まれないようチェックを重ねて安心できる商品を提供したい、と強調した。そして、「信頼できるパートナーを見つける努力をする」と語り、今後も中国から輸入していく方針を明かした。
ネットではこんな目に合ってもまだ中国のものを食べさせるつもりなのか、といった意見が爆発した。
「その腐れチキンあつかってる業者も『信頼できる』って思ったから契約してたんだろ?」
「どう考えても別の国を探すべき。反省するなら中国辞めろや!!あほか!!」
ファミマ広報は、今回の事件をきっかけに中国との全ての取引を止めるということにはならない、という。信頼できるパートナーを選び管理体制をしっかり組んでいくという、中山社長が語った通りの運営を進めていく。