地銀、「殿様経営」の終焉? 金融庁がビジネスモデルに危機感示す

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新たな検査手法「水平的レビュー」が追いつめる?

   金融庁の「金融モニタリングレポート」が指摘するように、地銀の収益環境は厳しい。その原因が、市場規模に比べて銀行の数が多すぎる「オーバーバンキング」にあるともいわれる。地銀・第二地銀は、金融危機以前の1997年に131行あったが、現在もなお105行もあるのだ。

   これまで非公表だった金融検査を、レポートとして公表することで「個別行に対して、暗に再編への圧力をかけている」(地銀関係者)と、みる向きもある。

   その地銀関係者は、「そもそも、お金を貸さない銀行は銀行ではない。競争が激しくなって貸出金利が下がるのも当たり前。企業にとっても銀行が競争することで、低金利で資金調達できればメリットがある。地元企業の数が減るのは由々しきことだが、だからといって健全なのに(金融庁に)ダメ出しされる覚えはない」と、不満を漏らす。

   別の地銀の幹部は、「13年度(の金融検査)はいわば総論のようなもの。14年度は決算報告などに照らして評点をつけるのだろうから、最高点もつけば、最低点もつく。細かく見られれば、追いつめられる」と、頭を抱える。

   地銀が恐れているのが、2014年度の金融検査で導入される「水平的レビュー」といわれる手法だ。

   水平的レビューは、複数の銀行に共通する検証項目を選定してグルーピングし、それらの銀行に対して統一の目線で取組状況を横断的に検証する、新たな金融モニタリングの手法。取り組みが類似している銀行の平均的な取り組みやベスト・プラクティス(最良慣行)と、どの程度乖離しているかを明らかにすることで、銀行の収益力や投資効率などを総合的に判断する。

   4つのグループに分けられるが、グルーピングは規模別に分けられたうえ、複数の地銀がある都道府県ではシェア順位をみて分けられている。すでに選別も済んでいる。

   金融庁は水平的レビューの実施にあたって、「どのように進めていこうとか、はっきりとしたことはないも決まっていませんし、(検査についての)コメントは差し控えたい」という。そのうえで、「(検査は)いろいろな議論を深めていこうということであって、再編を促そうとか、そのような意図があるわけではありません」(検査局)と話している。

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