いじめられている同級生を見かねて、「いじめるなら私をいじめて」とかばった女子児童が暴行を受け、全治1週間のけがを負っていたとわかった。
自ら身代わりを申し出た女児の正義感ある行動に、インターネット上では「勇気をほめるべきだ」などと称賛の声が上がっている。
「私を代わりにいじめて」と申し出る
被害を受けたのは、愛知県豊橋市立の小学校に通う、小学3年生の女児(8)。豊橋市教育委員会によると、被害児童は2014年6月3日午後、同級生3人から乱暴行為を受け、全治1週間のけがを負った。気付いた男性担任(23)はその場で暴行を止め、事実確認と指導を行っている。
きっかけは、前日の被害児童の発言だった。別の女子児童が4月から悪口などの嫌がらせを受けていたため、被害児童は2日の放課後、児童クラブ(学童保育)で「いじめるなら私を代わりにいじめて」とかばった。それを伝え聞いた加害児童が、暴行に及んだという。
担任は4日、学年主任に相談。校長へ伝え、学校は複数人による授業を始めるなどの対応を始めた。また学校は10日、加害児童、被害児童双方の保護者に、騒動の概要と今後の対応について説明したが、被害児童の保護者は改めて謝罪の場を設定するよう求めた。
26日に再度謝罪の場が設けられ、27日に被害児童は保護者同伴で登校。週が明けた30日からは、以前と同じように登校している。
報道によると、担任は4月に採用されたばかりの新任教諭で、学校側の支援も十分ではなかったため、暴行をからかいや遊びだと思っていた。いじめをかばった理由について被害児童は、「いじめを見るのが嫌だった」と話しているという。