日本航空(JAL)が開設したフェイスブックのページに、全日空(ANA)の機長とみられる利用者が「調子乗ってんじゃねえよ!」などと書き込んでいたことが明らかになった。ANA広報室は、書き込みをした人が同社のボーイング777型機の現役機長だと認めており、調査を進める考えだ。
ANAウェブサイトとフェイスブックに同一人物の写真
JALでは2014年6月5日、航空機の重量バランスを管理するシステムに障害が起き、機材繰りが原因の欠航を含めると国内線178便が欠航。6月6日夕方にはフェイスブックのページにもお詫びのメッセージを投稿した。このメッセージのコメント欄に、翌6月7日朝、問題の書き込みが行われた、内容は
「倒産して税金でやってる会社…調子乗ってんじゃねえよ!」
というもの。書き込みをした利用者は、プライベートで野球観戦する写真をフェイスブックで公開しており、同じような顔の人物がANAの機長として同社のウェブサイトに登場していたことをネット利用者が指摘していた。
ANA広報室「調査を行い、適切に対処」
ウェブサイトの記事が掲載されたのは08年で、ボーイング777型機の機長として大阪・伊丹空港~成田空港のルートについて案内していた。ANA広報室は書き込みをした人が現役機長だと認めた上で、
「調査を行い、適切に対処するとともに、引き続きコンプライアンスに関わる管理強化に努めて参ります」
とコメントした。
フェイスブックのページは「ファンページ」の色合いも帯びている。問題のコメントはほどなく削除されたが、コメント欄には発言を非難する声も相次いだ。
JALは10年1月に経営破たんし、官民ファンドの企業再生支援機構から3500億円の出資を受けた。機構は12年9月のJAL再上場でJAL株をすべて売却し、出資額の2倍近い額を回収してJALへの支援を終了している。ANAは一連の公的支援が「競争環境をゆがめた」などと主張している。