女子大1年生の半数がFacebook(フェイスブック)を利用していない――そんな衝撃的な中身のコラムが、話題になっている。10代女性にとって、Facebookはもはや「オジサン」のツールで、アカウントすら持っていない場合も多いという。
インターネット上では、教育現場から伝えられた「現実」に驚く声がある一方で、「若者向けデザインではない」「社会人に向いてるんでしょうね」などと納得するコメントも見られる。
「LINEの方がより生活に浸透している」
話題になっているのは、昭和女子大学准教授の保田隆明氏(39)が2014年6月5日、経済情報サイト「ザイ・オンライン」に寄稿したコラムだ。保田氏は14年4月に同大へ赴任。担当している学部1年生向けの科目で、講義中の「質問」を募るために、LINEを導入した。すると、質問をする心理的ハードルが下がり、手を上げる生徒も出てくるようになった。
赴任前から、講義にSNSを導入していた。数年前からTwitter(ツイッター)で講義のハッシュタグを使い、質問やコメントを受け付けていたが、講義に関係のないフォロワーにも読まれてしまうため、大学生側に「やや心理的抵抗もあったと思われる」と分析する。その点、LINEだと「グループ」のメンバー内だけでやり取りが可能だ。
最初の講義でFacebookアカウントの有無を質問すると、学生の約半数が「持っていない」と答えた。一方でTwitterやLINEのアカウントがない人は皆無に近く、またたく間に受講者55人全員がLINEの「グループ」に登録された。LINEが選ばれた理由を「Twitterで書いている内容を見られたくない」「LINEの方がより彼女たちの生活に浸透している」などと分析している。
コラムでは3泊4日の合宿研修に参加した時のエピソードも明かした。ある朝、女子学生が「え?だって、Facebookってオジサンがやるものでしょ?」などと話しているのを耳にして、「私(アラフォー男)の背中をズギューンと射抜いた」ほどのショックを受けたという。
なお講義ではFacebookも活用している。学んだことを放課後に書き込む場として、すぐ発言が流れてしまうLINEではなく、日時ごとに管理できるFacebookの「グループ」を利用しているが、保田氏は「必要に迫られて使っているだけの可能性が今のところは高い」と見ている。