ASKA容疑者(56)も顔を出していたパソナグループの「迎賓館パーティー」には、大物政治家らも続々と出席していたことが分かってきた。その中には派遣業界の所管大臣もおり、疑問の声も出ている。
「壁には、パソナの南部靖之代表と政治家が握手した写真がずらりと飾られていましたね。パーティーは、この人たちを応援してあげてねという雰囲気の集まりでしたよ」
田村憲久厚労相は就任後出席
東京・元麻布の迎賓館「仁風林」でのパーティーに10年ほど前に出席したある30代OLは、取材にこう明かす。
パーティーには、政界や実業界などのセレブら20人ほどがいたといい、このOLは、セレブの知り合いから声を掛けられて出席した。室内は、ロココ調の家具が置かれ、ヴェルサイユ宮殿の部屋を思わせるゴージャスな雰囲気だった。南部代表もその場におり、お互いに自己紹介しながらパーティーは進んだ。
この接待パーティーについて、週刊誌や夕刊紙では、大物政治家らが招かれていたと次々に報じている。
それによると、安倍晋三首相が野党時代に何度か顔を見せたほか、現職大臣でも、田村憲久厚労相や小野寺五典防衛相ら5人ほどが以前に行っていた。このほか、自民党では、中川秀直元官房長官、森喜朗元首相、民主党からは、前原誠司元外相も出ていたとされている。
田村厚労相は、就任後の2013年2月にパーティーに出席していた。厚労省は、派遣業界を所管しており、そのトップが接待を受けていたことになる。国会では、3年の期限を事実上撤廃する労働者派遣法改正の審議が続くなどしており、田村氏の出席について、週刊誌などで批判の声が出ている。
田村氏「決して怪しいものではない」
田村憲久厚労相は、2014年5月27日の閣議後会見で、労働法制を所管する大臣として記者から見解を求められた。これに対し、田村氏は、ゲストスピーカーとして30分ほどパーティーで講演したことがあることを認めた。しかし、食事が出たものの、ほとんど食べずに会話し、お車代や講演料ももらっていないとして、「決して怪しいものではない」と強調した。
小野寺五典防衛相については、南部靖之代表の秘書で接待要員だったと報じられた栩内(とちない)香澄美容疑者(37)に接近していたとも一部で報じられた。これに対し、小野寺氏は、5月30日の会見で、「容疑がかかっている女性の方とは全く面識もありません」と否定し、報道に当惑していることを明らかにした。ただ、パーティーには、数回呼ばれて会食したことは認めている。
小野寺氏の国会事務所によると、就任してから行ったことはなく、回数も1、2回ほどだという。
民主党の前原誠司元外相は、AERAの1995年7月24日号の記事によると、南部代表の秘書だった妻と、南部代表主催のパーティーで知り合い、この年に結婚した。このパーティーも仁風林ではないかと噂されている。
パソナグループの広報室では、パーティーが開催された仁風林について、「当社の福利厚生施設として社員の会食や会議を開催しているほか、お客様との勉強会や懇親を深める施設として運営しています。各種の会合の実施に当たっては、コンプライアンスを遵守しております」と取材にコメントした。