新曲の参加メンバーをファンの投票で決めるAKB48の選抜総選挙をめぐり、意外なところでトラブルが起きている。総選挙では、主にCDに1枚ついている投票券を使って投票するが、投票券の束をヤフーオークションに出品する人が現れたのだ。CDを買うよりも安く投票できると考えたのか、券を実際に落札する人も何人かいた。
だが、投票券は使用済みのもので、落札しても投票できないことがほどなくして判明。落札した人は猛反発しているが、出品した人は「返金対応しろというのは無茶苦茶」などと半ば開き直っている。
商品に関する説明はほとんどない
投票券の大量出品は、5月22日、23日、27日の3回にわたって行われ、22日が1000枚、23日と27日が500枚ずつ。出品者の欄を見る限りでは、いずれも同一人物が出品しているようだ。説明は、
「投票券1000枚セットになります。発送はCD開封後の発送となります」
「投票券500枚セットになります。発送はCD到着日の20日以降となります」
「投票券500枚セットになります。発送はCD開封後発送となります」
といったそっけないものだが、「いかなる場合も返金、返品は対応致しません」と返品ができないことは明記されている。
いずれのオークションも出品から半日も経たないうちに落札者が決まり、落札金額は1000枚セットが95万円、23日に出品された500枚セットが45万円、27日に出品された500枚セットが43万円。言い換えれば、出品者は2000枚を183万円で売りさばいたことになる。1枚あたり915円だ。なお、アマゾンで初回限定盤を購入すると1枚1630円、 通常版だと1387円だ。
出品者は「返品するから返金対応しろというのは無茶苦茶」と逆ギレ
異変が起こったのは5月29日。落札者が3人とも、出品者に対して「非常に悪い」という評価を付けたのだ。落札者は、
「投票できると思って、お金も入金したのに、届いた商品が投票済みで投票できない商品でした。中古品といえる95万円の価値は全くなかったです。 悪質な出品者ですね」
「もうすでに投票済みの投票券でした!」
などと出品者を非難している。総選挙の投票は、投票券に書いてある番号を特設ウェブサイトに入力する仕組み。もちろん、ひとつの番号で投票できるのは1回だけだ。出品者は、すでに使用済みの投票券を売り出していたわけだ。商品区分について「中古」としていたが、出品者は「未使用」「未投票」とは一言も書いてはいない。これで「使用済み」と判断するのはかなり難しい。落札者からすれば投票済みの投票券は単なる紙切れで、落札者が怒るのも無理はないとも言える。これに対して、出品者は、
「中古品を落札しておいて返品するから返金対応しろというのは無茶苦茶ですよ。不当評価としてヤフオクにも通報させていただきます」
などと半ば「逆ギレ」している。
別の落札者の書き込みによると、近く警察沙汰になる可能性もありそうだ。
「お金を支払いましたがそちらのYahoo!IDが停止になり、取引が強制的に中止になりましたのでこの評価にさせていただきました。返金手続きしていただけないようなので、警察に被害届を提出させていただきます」
なお、投票済み投票券1000枚を落札してしまった人は、それ以外にもヤフオクで15回にわたって投票前の投票券を落札している。枚数は3590枚、総額は306万6900円に及んでいる。