4人が誤認逮捕されたパソコン遠隔操作事件で、片山祐輔被告(32)の公判が東京地裁で行われた後、佐藤弁護士が会見で片山被告が同年齢の凶悪犯罪者に関心を持っていることを明らかにした。
酒鬼薔薇聖斗を名乗る少年が起こした神戸連続児童殺傷事件をはじめ、マスメディアで大きく取り上げられた複数の犯罪者と片山被告は、偶然にも同じ1982年生まれなのだ。
「自分は本当に壊れている」
2014年5月22日、片山被告は無罪の主張から一転して、「全部真実です」と起訴内用を全面的に認めた。公判後の会見で佐藤弁護士は被告について、
「非常に知的には優れた部分があり、巧妙に事件を行っただけでなく嘘をつき通した。そういう意味では非常に頭の回転の早い人であることは疑いようがないが、完全に間違ったことに使っていた」
と話し、「悪魔が完全な仮面をかぶっていた」と表現した。ただし、佐藤弁護士の見方では善と悪の両方が被告の中に存在し、「善なる部分が悪魔の方を見つめていたことも事実」としている。公判では誤認逮捕された人などに謝罪したが、「平気で嘘がつける」ことも明らかになっているので「本当に反省しているかはわからない」そうだ。
「真犯人」メールの文面と公衆の面前での態度もかけ離れていて、内面を完璧に理解することは困難だが、片山が82年生まれの同年齢の凶悪犯に関心を抱いていると、佐藤弁護士の会見で伝えられた。片山は「自分は本当に壊れている」という意識があり、「刑務所から出ても立ち直れるでしょうか」と相談したという。
佐藤弁護士は神戸連続児童殺傷事件の加害者が、出所後に名前を変えて仕事もこなし、被害者に謝罪の手紙も出したという例に出し、「彼にできたことは君にできないわけない」と励ました。その時に片山被告と同じ32歳であることに気付いた。
2008年の秋葉原通り魔事件の犯人や、西鉄ハイジャック事件の犯人も同い年であることに片山は意識的で、「彼らと同じ風に壊れた人だと思っている」(佐藤弁護士)。秋葉原事件が起きてすぐに現場まで見に行ったという。