日立製作所と火力発電システム分野の新会社を設立
2013年に宮永氏が社長に就任して以降、こうした戦略は着実に実を結んでいる。例えば社内の組織改革。これまで9つの事業本部に分かれていたが、2014年4月、「エネルギー・環境」「交通・輸送」「防衛・宇宙」「機械・設備システム」の4ドメイン(事業領域)に完全移行した。ドメインの権限を強め、より大規模な戦略的投資をスピーディーに実行できる体制とした。これまでは、ある顧客に対し、事業本部ごとにバラバラに営業することもあったが、大幅な効率化を図った。
M&Aにも積極的だ。14年2月、日立製作所と火力発電システム分野の新会社を設立、同分野で世界首位を目指している。13年5月には、米国の航空機用エンジンメーカー、プラット・アンド・ホイットニー(P&W)の中小型ガスタービン事業の買収手続きを終えた。デンマークのヴェスタス社と設立した洋上風力発電設備専業の合弁会社も14年4月に営業開始。現在は折半出資だが、2016年には三菱重工側の出資比率を51%とし、主導権を握る予定だ。さらに5月7日、独シーメンスと製鉄機械分野を統合すると発表。三菱重工の連結子会社、三菱日立製鉄機械が51%を出資する合弁会社を2015年1月に設立することで合意した。