外食アルバイト時給「青天井」、ついに「深夜1500円」 人手不足深刻化、「都心ほど集まらない」

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   外食業のアルバイトの時給が高騰している。

   牛丼チェーン店の「すき家」を展開するゼンショーホールディングス(HD)では、とうとう「深夜1500円」の最高水準に達した。

西新宿店や三田店は1200~1400円

すき家のアルバイト時給は「深夜1500円」まで上昇している(画像はイメージ)
すき家のアルバイト時給は「深夜1500円」まで上昇している(画像はイメージ)

   時給が深夜1500円になったのは福島県の「すき家」原町店。原発事故を起こした東京電力福島第一原発からは約25キロメートル。JR常磐線原ノ町駅から約1.5キロメートルの国道沿いにある24時間営業の店だ。

   周辺の外食店はどこも深刻な人手不足に悩まされている。放射線の影響を懸念して、主な働き手だった若者や主婦層が市外に流出したうえ、除染作業などの復興事業の本格化が重なったことで、労働力の奪い合いが起こっている。

   外食店は復興関連の作業員でにぎわっているものの、店を円滑に運営するほどの人員は十分に確保できない。そのため、アルバイトの時給がみるみるうちに上昇したというわけだ。

   原町店の時給は、東日本大震災が起こった2011年と比べて約500円も上昇。いまや、全国でみてもトップクラスの水準にある。

   人手不足によるアルバイト時給の上昇は、なにも福島県だけのことではない。ゼンショーHDは2014年に入って、すき家の東京都心などの一部店舗の一時休業や営業時間の短縮を強いられた。

   人員確保のため、すき家・渋谷センター街店や駒沢大学店では時給1100~1375円、西新宿店や三田店は1200~1400円(いずれも、5月12日現在)と、「1500円」に迫る時給を提示している。

   牛丼チェーン店の吉野家は、「都心の店舗ほど人員の確保がむずかしい」と話す。アベノミクスのよる景気回復を受けて外食店の来客数は増加傾向にある。なかでも、都心部は大型商業施設が増えたことで、居酒屋チェーンや外食店の出店が相次いでいる。

   その半面、そこで働くパートやアルバイトは店舗近くに住んでおらず、わざわざ交通費をかけて出勤することになる。「時給が低ければ(応募者が)集まりにくいことはあるが、ほかにもファクターがある」(吉野家)。時給を上げたからといって、応募者が簡単に集まるということでもないようだ。

イベントスタッフやコールセンターの時給は1500円以上?

   求人情報大手のリクルートジョブズが調べた2014年3月の「アルバイト・パート募集時平均時給調査」によると、三大都市圏(首都圏・東海・関西)の平均時給は948円で、前年同月より6円増えた。

   なかでも、首都圏の平均時給は985円(前年同月979円)と、1000円を目前にしている。さらに、職種別にみると外食店などの「フード系」は前年同月に比べて14円も増えていて、「事務系」(前年同月比9円増)や「製造・物流・清掃系」(8円増)、「販売・サービス系」(同1円増)を、大きく上回っている。

   職種別の求人数でも、ホールスタッフや調理師が他の職種を引き離している。

   最近は学生も多忙。拘束時間の長い飲食店での接客の仕事を敬遠しがちで、週末や長期休暇など短期間に集中して働けるイベントスタッフや物流施設のコールセンターなどの仕事を選ぶ傾向が強まっている。また、そういった職種の時給は1500円以上。なかには2000円近くのところもあるようだ。

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