大ヒットしているディズニー映画「アナと雪の女王」には吹き替え版、3D版などに加え観客がスクリーンに表示される歌詞に合わせて歌うことができる「みんなで歌おう」版があり、歌いたい人たちがこの上映会にやってきて楽しんでいる。
日本では映画はおとなしく静かに観るものだが、この「アナと雪の女王」の「みんなで歌おう」版では観客の歌声が館内に響く人気になっていると一部のメディアが報じていた。しかし、状況は少し違うようだ。歌ってみたら他の客から「静かにしろ!」と注意を受けたという報告まで出ている。
「静かに見てもらえませんか?ここ映画館なんで」
「アナと雪の女王」は2014年3月中旬から上映が開始され14年5月6日までに観客が1265万人、興行収入は159億円となる大ヒットを記録している。この大ヒットを記念して4月26日から期間限定で始まったのが「みんなで歌おう」版だ。主題歌の「Let It Go レット・イット・ゴー~ありのままで~」は今や世界中で歌われていて各国の映画館でもこれが流れると観客が歌いだすといった風景が見られる。それを日本でもやろうというもので、カラオケのように歌詞がテロップで流れ歌いやすくする工夫が凝らされている。
しかし、14年5月6日に「ツイッター」のこんなつぶやきが話題になった。それは「みんなで歌おう」版を見に行ったのに、周りが超シーンとしていて「え?歌っていいの?」という雰囲気だったため少し控えめに歌ったところ隣の客から「静かに見てもらえませんか?ここ映画館なんで」と注意されたというのだ。「これ一緒に歌うやつなんですけど」と言い返したが、相手には全く伝わらなかったという。
この「みんなで歌おう」版、多くの観客が歌っていてこの企画は成功した、などとメディアでは報道じられていた。今回のツイートは、そうした報道を否定する内容だったため、「やはり歌う人などいなかった」などと騒ぎになった。
日本人には不向きなイベントなのか?
こうしたことに「ツイッター」や掲示板には、
「注意こそされませんでしたが、やっぱりほとんどが歌ってなくて、悲しい気持ちでした」
「結局歌わねぇんじゃねぇか。散々持ち上げてこれか。だせぇ」
「日本人には難しいだろこれは、お馬鹿な外人にやらせとけ」
などといった感想が出た。
実際はどうだったのだろうか。都内の上映館に話を聞いたところ入場時に「歌ってもいい上映回です」という説明を行っているが、歌うのは休日に親などに連れられてきた子供たちが中心で、平日の上映では歌う人はあまりいないそうだ。
埼玉県にある上映館では歌声が聞こえる回と、全く聞こえない回に分かれるという。
「積極的に歌うグループなどがいればそれに合わせて他のお客様も歌うようですが、そういうきっかけのようなものがなければ、シーンとなってしまうようですね」
と担当者は話している。