ユネスコの世界文化遺産へ登録される見通しとなった「富岡製糸場と絹産業遺産群」(群馬県)。地元では、観光客の増加効果にも期待を寄せているようだ。
観光地と言えばお土産がつきものだ。国内各地の世界遺産では多様なお土産が販売されているが、富岡製糸場には既にユニークな菓子が存在していた。
「口に入れるのに勇気が…」でも「おいしかった」
インターネット上で話題になっている「富岡製糸場名物」がある。群馬県の丸エイ食品が2013年1月に発売したチョコレート菓子「かいこの王国」だ。明治時代、日本を近代国家へと導いた養蚕業の発展。絹を生み出す蚕(かいこ)をリアルに再現したのが、この菓子なのだ。緑色の桑の葉の上に、白い蚕をかたどったチョコが乗っている。
見た目が本物に近いだけに、一瞬ギョッとするかもしれない。ツイッターには「口に入れるのに勇気が要る」という感想が書かれていた一方で、「おいしかったです」という声もあった。群馬県の地方紙「上毛新聞」は2013年6月11日、「かいこの王国」を取り上げていた。丸エイ食品によると、富岡製糸場が世界遺産となったとしても、これといった土産がないことが開発のきっかけになったという。あえて強烈な見た目にして「話のネタ」にしてもらうことで、話題づくりに一役買いたいと考えたそうだ。
国内の世界遺産では、土産物でどんな食べ物があるだろうか。2013年7月に世界文化遺産となった富士山は、せんべいやクッキー、シフォンケーキにメロンパンと、富士山の美しい形をモチーフにした菓子が数多くつくられている。
岐阜県の白川郷は「どぶろく」(にごり酒)が有名で、祭礼の際に神酒として使われる。秋には「どぶろく祭」も開かれる。そのためか土産物にも「どぶろくまんじゅう」「どぶろくようかん」「どぶろくせんべい」とバラエティーに富んでいる。