STAP細胞論文の共著者で、理化学研究所の発生・再生科学総合研究センター(CDB)副センター長の笹井芳樹氏が2014年4月16日開いた会見での大きな論点のひとつが、STAP細胞が実在するかどうかだ。
笹井氏は論文こそ撤回する考えだが、STAP細胞そのものについては、検証を進める必要があるとの立場で、
「検証する価値のある合理性の高い仮説だ」
としており、かなりの自信を見せている様子だ。
STAP現象を前提にしないと説明しにくいデータがある
笹井氏の論文とSTAP現象に対する基本的な立場は、
「信頼性が複数の過誤で大きく損なわれており、STAP現象の真偽の判断には理研内外の予断のない再現検証が必要」
というものだ。
半面、顕微鏡ムービーなど、STAP現象を前提にしないと説明しにくいデータがあるとして、
「観察データに基づいて考えると、検証する価値のある合理性の高い仮説」
とも主張。STAP現象を検証するためには、反対の仮説を立てて検証する必要があるが、
「反証仮説の中で私にとって説得力が高いものは見いだしていない」
とも述べた。
ES細胞混入の可能性は「研究者として真っ先に考えること」
ES細胞が混入しただけだという指摘については、
「ESの混入は研究者として真っ先に考えること。それでは説明はできないということを何度も考えている」
と真っ向から反論するなど、存在を否定する「証拠」は見つかっていないことを強調した。
また、「STAP細胞はあると思うか」といった問いには、
「科学は(「信じる」「信じない」の)宗教ではない。あくまで『確度がどこまで高いか』という問題だ」
と切り返した。