アメリカのオバマ大統領が2014年4月23日から国賓待遇で来日するが、ネットの一部では安倍首相とのTPP交渉の最終調整や日米同盟強化に向けた会談よりも、コインロッカーの方が気になるようだ。
東京都内の主要駅のコインロッカーが4月18日頃から使用できなくなるためで、この期間中に上京した場合や、コンサートやイベントに出かける際にコインロッカーを使えないのは非常に困る、というのだ。また、「オバマは電車で来るのか?」などと、オバマ大統領の警護と駅のコインロッカーは無関係だと主張する人もいる。
09年の来日時も使用禁止になっていた
新宿駅に14年4月15日に行ってみると、JR、小田急、京王、地下鉄各構内に置かれたコインロッカー、駅周辺外部のコインロッカーの扉の一つ一つに「使用中止のお知らせ」が張られている。中止の理由はオバマ大統領が来日するからで、テロ対策だと謳っているものもある。09年に来日した際にも主要駅のコインロッカーは使用中止になり、コインロッカーの「愛好者」、例えば漫画家の浜田ブリトニーさんは洋服や漫画用具などを収納するため常に4個から5個のコインロッカーを使っていたけれども、その荷物を全部出して運ばなければならなかった、などとテレビ番組で語り話題になった。
今回のオバマ大統領の来日でも、上京を予定している人やコンサートやイベントに行く人に対して、コインロッカーが使えなくなるから注意をしたほうがいい、といった呼びかけが「ツイッター」などで4月14日頃から拡散していた。コインロッカーが使えないことに対する不満の声もあり、特にオバマ大統領とコインロッカーの関係が意味不明だとし、
「オバマ来日で駅のコインロッカーが使用中止になるのがよくわかんないんだけど、オバマ電車乗るんか」
「え、オバマ電車乗るの?」
「まさか電車では来ないでしょ」
などといった意見まで出ている。
オバマではなく駅の利用者をテロから守る
コインロッカーの管理会社に話を聞いてみると、使用中止にするのは警視庁から「オバマ大統領の来日に際し、テロの危険を避けるため」といった内容の要請があったためだと明かした。オバマ大統領が電車で移動をして、コインロッカーを使うかどうかは分からないが、テロリストは直接オバマ大統領を狙うということだけではなく、オバマ大統領から離れた場所で騒ぎを起こす危険もある。コインロッカーは鍵を閉めてしまえば中に何が入っているかはわからなくなってしまうため、テロ目的の危険物を入れさせないために使用中止になるのだと管理会社は説明した。つまり、オバマ大統領の身を守るというよりも、駅を利用する人たちをテロから守るという意味合いなのだそうだ。
警視庁のホームページには、「『国賓』オバマ大統領来日」というページが設けられ、国民と事業者に対し「官民一体となって東京をテロから守りましょう」と協力を呼びかけている。4月23日から25日にかけては交通規制や検問を実施する。また、不審物がないかの注意を払い、もし爆発物の疑いがあった場合は「さわるな、ふむな、けとばすなを厳守し、触ったり動かしたり、無理な確認をしない」と注意をしている。